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地域コミュニティはシガラミでしかないのか⁉「豊かさの陰に埋もれる町会」
コミュニティ 2018.02.07

地域コミュニティはシガラミでしかないのか⁉「豊かさの陰に埋もれる町会」

先日、戸田市自治基本条例フォーラム「私たちのまち戸田はどんなまち?~戸田の未来を語り合おう~」が行われ、参加した。参加者はざっと100人。若者3人が発表し、その後、テーブルごとにグループトーク。現在の戸田の魅力、そして、もっと良くするにはどうするかを話し合った。

話し合いながら、分かったことがある。「住みよい町」という要素の中には「町会がある」「町会が充実している」という項目は含まれていない、ということを。

グループトークでは参加者それぞれが大きめの付箋に、自分の思う戸田の魅力を書き出して、テーブル中央の模造紙に貼っていく。

①都心に近く交通の便がいい

②施設が充実していて子育てしやすい

③道満パークなどの自然がある

④商業店舗が揃っている

⑤人口が増えている(減少していない)

言い回しは多少違うが、書き出された魅力はほぼ一緒。観光客が「来る町」ではなく「住む町」として、職場に通うのにも子育てするにも地理的、インフラ的に戸田はちょうどいいとみんな満足していた。

考慮されていない地域の人的つながり

一つ気になった。生活環境が整っていることが重要なのであって、地域の人的つながりはほとんど考慮されていないのだ。早い話、行政が住民税を多く徴収し、保育園や公共施設、道路、上下水道等を充実させていけば、自ずと「魅力ある町」になっていく。隣近所の交流、地域コミュニティの存在については眼中にないのだ。

たとえば、若い世帯が戸田に移住してきたとする。「聞いていた通り、交通の便が良くて、施設も充実していて、暮らしやすいわぁ~」と喜ぶ。そんな時に、玄関のチャイムが鳴り、「あの~、町会に入ってもらえませんか」「子供会に入ってください」と声を掛けられる。さて、どう思うか。

「えー、聞いてないよ~。めんどくさ~」

新居を構え、「さて、これからはこうして、何年後にはああしよう」と人生設計を立てようとしているのに、「近所づきあいだの、地域コミュニティだの、ああウザい」。地域コミュニティ=シガラミでしかない。

自治基本条例が規定する「市民の役割」

1 市民は、自治の主体であることを自覚し、市民相互の連携を図って地域課題を自ら解決する意識を持つよう努めます。

2 市民は、互いに尊重し合い、かつ、近隣との交流を深め、共に助け合える地域社会づくりに努めます。

3 住民は、町会・自治会等及びボランティア団体等をまちづくりの担い手と認識し、その活動を尊重するよう努めます。

いくら条文で規定しようが、都市の豊かさ、利便性の前には、自治など不要なのだ。

皮肉なことに、フォーラムは広く市民に告知されたが、参加したのは市の職員や市会議員、町会役員ばかりだった。空席が目立ち、いわゆる一般市民がいたようにはみえなかった。

ほとんどの市民にとって、地域コミュニティに加入し、地域の課題解決に協力すること、すなわち自治活動は、できれば避けたい“義務”でしかない。そんな時代なのだ。

自治は強制するものではない。町会は、自分たちで何かやろう!という人たちで、細々と続けていくしかないのかもしれない。

画像提供元:戸田市オープンデータ・統計
この記事を書いた人 吉原正夫 地域コミュニティが崩壊している。この流れを食い止めるには、どうしたらいいか。地域コミュニティ再生に掛けた現役町会役員の挑戦を綴る。 https://ameblo.jp/jinbou-himanasi/ 吉原正夫の記事をもっと読む>>
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