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複雑怪奇な女子の世界
コミュニケーション コミュニケーション 2017.08.31

複雑怪奇な女子の世界

学校における「女子」の世界ほど複雑なものはないと、教師時代につくづく痛感した。
女子たちは、集まり、戯れ、仲たがいし、離れ、そして再び集まる。

人間関係における破壊と再生を1年中ずっと繰り返しては、「先生、実は〇〇さんが…」と言ってもらえる位であればまだいいのだが、多くはそうはいかない。
学校の水面下では、常に生徒同士による愛憎や、羨望や、嫉妬が存在し、教師たちはその全容を把握することがなかなか難しい場合が多いのが実情である。

さらに、昨今のSNSの発達によって表立ったいざこざが減り、代わりにネット世界でいざこざを起こすので余計にややこしい。
それが「ザ・青春」といえばそうなのかもしれない。
日々移ろう女子たちを正面から全て受けとめるのは、本当に大変だ。
でも、傷つき傷つけられ、授業に集中できないというクラスの女子を見ると、どうしても話を聞きたくなってしまうものだった。

女子中高生のすごいところは、あんなに仲たがいしていたにも関わらず、次の日にはケロリと普通に仲良しに戻っていることがよくあることだ。
一体、あの嵐はなんだったのだろう?
あんなに心配して話を聞いて、一緒に解決策を考えたり、今後どうやって人間関係をスムーズに運べるようにしていけばいいかを考えたりしたのに、一体どんな魔法がかかったのかと思うほどだ。
狐に騙されたような、不思議な気持ちになることも少なくはなかった。
そして、この摩訶不思議な女子の世界は、大学、就職後の会社、結婚後のママ友……と永遠に続くのである。
女子の世界は、なかなか楽しいけれど、厄介でもある。

時は過ぎて。
教え子たちに卒業後に会うと、在学当時はあんなにいざこざを起こしていた女子ほど、性格が丸くなり、大人になっていることに驚くことがある。

学校は、自分の実力と偏差値とをにらめっこしながら、相応しい学力指導を受ける場所である。または、自分の好きなスポーツや音楽や演劇などを仲間と高め合う場所でもある。
大きく分けるとこの2つが学校選びの主な動機になるが、月並みな表現をすれば、入学後の学校は「小さな人生道場」でもあると思う。
たくさんの人付き合いで、成功も間違いも経験し、まるで蝶のように素敵な女性へと変貌を遂げた子を見る度に、
(ああ、やっぱり女子は摩訶不思議だわ……)
と思えてならない。

この記事を書いた人 おおつかけいこ 教師歴10年の経験をもつ教育者。ライティングの「ものかき」でマネージャーを務めるほか幼児教室も主宰 おおつかけいこの記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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