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母の背中を見せたっていい
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母の背中を見せたっていい

昭和生まれの人間にとって、「親の背中を見て育つ」という言葉を聞くと、まずは父を思い起こす人が多いかもしれない。ところが、時は平成、働くお母さんが実に多いことに気づいたのは、春に開かれた子どもの保護者会だった。聞けば、クラスの大半のお母さんが何らかの仕事をしているらしい。なんだか勝手に親近感が湧き、嬉しくなった。

母が仕事をすることで、子どもに悪影響がある?

内閣府「男女共同参画白書」によると、共働き世帯数は年々増加しているというが、女性全体の就業率をグラフでみると、ちょうど30代~40代のあたりがへこんだM字カーブの形になっている。これは、30代~40代の子育て年代が仕事から離れざるを得ない現状を意味しているようだ。

それでも、ここ30年でM字カーブの底のくぼみが浅くなったということは、企業側や女性が前向きに挑戦し続けているのだろう。その一方で、働くことを躊躇する声も周囲で聞く。「収入は得ても、今までのように子どもと過ごす時間が減って本当にいいの?」「母親が働くと、子どもに本当に悪影響があるの?」「幼児教育が重要だと言われているこの時代、(自分のせいで)子どもにしっかりとかかわれず、うちの子だけ立ち遅れたりしない?」等々、悩みは尽きない。

こうした悩みは、子どもが3歳までは(または小学校に上がるまでは)母親が家にいた方がいい」という神話を見聞きする度に、母親の胸に目に見えないトゲとなって刺さってくる。そして、このトゲは子どもが熱を出したり、風邪を引いたりする度にチクチクと痛み出す。(私が無理に働いているから、子どもが苦しんでいるのではないだろうか…)と。

いろいろな母像ありきの世の中に

このように、仕事と子育てを両立しようとする母親には、常に大小さまざまな困難が訪れ、時に悩み、また時にもがきながら奮闘している。当然ながら、毎日聖母のように微笑んではいられないし、本来ならば持ち込みたくない仕事上のトラブルの余韻が眉間のシワに深く表れている日だってある。これは何もバリキャリのワーママのことを言っているのではない。現代の働く母親は、フルタイム、パートタイム、フリーランス等いろいろな働き方を選択しながら、各々の家庭とのバランスを取ろうとしている。そんな共働き家庭の将来、物心ついた子どもの視界に入るのは、家族のために働く父親だけでなく、仕事もやり同時に家事をこなす母親の姿だ。子どももいつか、母親のがんばる意味について気づく日がくるだろう。だからこそ、母の背中を見せたっていい。

この記事を書いた人 おおつかけいこ 教師歴10年の経験をもつ教育者。ライティングの「ものかき」でマネージャーを務めるほか幼児教室も主宰 おおつかけいこの記事をもっと読む>>