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不完全な人たちが担うすべて

是枝監督の「三度目の殺人」を見てきました。真実は「藪の中」にあるようにみえて、それでもタイトル通りであれば、案外スッキリと真実が浮かびあがってくる。そんな印象でした。全体的にしっかり練られているからか、普段の生活では目をつむって素通りしてしまっている人間のある内面にじっくり向き合って考えさせられる作品でしたし、いかにも是枝監督らしい構成にも引き込まれました。役者が同じってこともあるんでしょうけど「そして父になる」とテーマも含めて重なる部分が結構あるように感じました。

赤ちゃんの取り違えで、6年間一緒に過ごしてきた我が子が他人の子どもだったと知らされた2組の夫婦。「血のつながりか、共に過ごした時間か」の選択を迫られ苦しむ「そして父になる」。

印象的だったのは、父親たちの子育てについての価値観が交錯するシーンです。エリートとして忙しく働く金持ち父さんの福山が「時間だけじゃないと思いますけどね」と教育方針の感じられない貧乏父さんのリリー・フランキーを軽くあしらうと「なに言ってるの。時間だよ。子どもは時間」と持論でサラっと切り返されてしまいます。教育方針や成長を促す取り組みの質よりも一緒に過ごす「時間の長さ」自体が大事なんだというわけです。

地域コミュニティの尺度

そう考えると。子どもとの関係を育むのに時間が大事なように、よい地域コミュニティを育むには「距離」そのものが肝なのかなーと最近あらためて感じます。あたりまえかもしれませんがコミュニティに属する人たちの家と家の距離、定規やメジャーで測れる距離のことです。

これが離れすぎてると、結局どんなに親しい間柄の人との信頼関係ですら、理想的なコミュニティの形成を後押ししてはくれないように感じてます。もちろん他にも欠かせない大事な要素はありますが、距離は遠のくほどそのすべてを希薄にする。

もしかすると子供の足で気軽に相手の家までいけるくらいの距離が、地域コミュニティを育てるには欠かせない条件なのかもしれません。

この記事を書いた人 関口オーギョウチ 埼玉在住。サブカルやマイノリティがつくるコミュニティに関心あり。矯めつ眇めつそこに宿る魂に触れたいなと思ってます。 関口オーギョウチの記事をもっと読む>>