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児童虐待をやめられない親たち
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児童虐待をやめられない親たち

筆者が学校に勤めているとき、何度か遭遇した「児童虐待」問題。生活や子育てに苦労しているケース、教育・しつけと虐待の境界線を越えてしまったケース、子どもを愛せないケース等々、児童虐待の原因にはさまざまな状況がある。

2016年に発表された、全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は、12万2578件で、前年度より1万9292件(18・7%)増え、年々増加する傾向にあるという。
児童虐待の種類には4つあり、殴る・蹴るなどの「身体的虐待」、暴言や脅しなどの「心理的虐待」、性行為を強制する「性的虐待」、食事を与えず世話をしない「ネグレクト(育児放棄)」が挙げられるが、心理的虐待はそのうちの半数を占め、最も多いとされる。

普通の家庭でも起きる可能性のある虐待

心理的虐待が最も多い背景には、家庭内における教育・しつけと虐待の境界線が、限りなくグレーゾーンにあるからである。

例えば、「子どものため」だと教育熱心になる余り、人格まで否定するようなことを言ってしまう。自分の思うように勉強をしてくれず、思わず大声で罵倒してしまう……。しつけの延長線上にある一線を越えるまでは、ごく普通の親子の関わりなのである。

こうした現象は、実はどこの家庭でも起こり得る、線引きの難しい問題である。また親自身が虐待に相当しているという認識がない場合もあり、結果的に虐待をやめられない一因にもなっている。しかし、どんなに子どもを愛していたとしても、子ども側に立って考えてみた時、子ども自身が傷つき、堪えがたい苦痛を感じている場合は、それは虐待の一線を越えてしまったことになるのだ。最悪の場合、親子関係が修復不可能なレベルまで悪化してしまう可能性もある。

我が子とのかかわり方を振り返る

日本では、学校側の虐待の発見が重視されているが、多くのケースでは発見後の親自身の心理的問題を解決しなければ、再び子どもに手が出てしまうという。そうならないためにも、親自身自分の行動が虐待になっていないのか、一度振り返ってみたい。

長い子育ての中で、辛い局面の時は幾度となく訪れる。その中で、もし今虐待にあたる過ちを犯していたとしても、産まれてからずっと一生懸命に育児をしてきた歴史全てが否定されるものではない。

子育てに迷い、悩み、苦しむ時、その思いをそのまま子どもにぶつけてしまう前に、相談機関に相談することや、カウンセリングを受ける勇気を持つこと。それはけして恥ずべきことではない。

一つ一つ解決していくことで、いつか虐待してしまう自分から抜け出せるはずだから。

この記事を書いた人 おおつかけいこ 教師歴10年の経験をもつ教育者。ライティングの「ものかき」でマネージャーを務めるほか幼児教室も主宰 おおつかけいこの記事をもっと読む>>