運動会で見た子どもの成長
先日、幼稚園の運動会がありました。
年長さんの長女は、体操披露に障害物競走、組体操、リレーなど出場種目が目白押し。
体操披露では、逆上がり、跳び箱、側転、中には逆立ちやバク転をする子まで。年少さんと比べると、背丈が大きいのはもちろん、幼児っぽさがなくなり体形もしっかりしてきました。入園時の幼なかわいい様子が、あっという間に頼もしいお兄さんお姉さんになったなとしみじみと感じました。
心の成長も見られました。
運動会2週間前の朝のことです。朝食を食べていると長女が「組体操で一番下ばかりだからイヤなの」とわんわん泣き出しました。
よく聞いてみると、自分だけが組体操で支える役割ばかりで見せ場がないことに不満があるようでした。「組体操はチームでやるもの。支える役割だってとても大事なこと。」だと話ましたが納得しませんでした。
「じゃあ今の気持ちを先生に相談してみたら?」
「やだ。お母さん、先生にお手紙書いてよ。」
「自分の気持ちは自分で伝えてごらん。」
半年もすれば小学生になります。自分の気持ちを伝えることが出来るようになってほしいと思い、ちょっと心配ではありましたがやらせてみることにしました。
お迎えに行くと「ちゃんと先生に言えたよ。お友だちが組体操の場所を代わってくれた。」と笑顔の長女。
先生に経緯を聞いてみると、先生の配慮不足で確かに長女だけが見せ場がない状態だったと。そのことを子どもたちに話したところ、場所を代わってくれると申し出てくれる子が次々とでたということでした。
長女は、泣きながら一生懸命先生に話したそうです。真剣に話しを聞いてくれた先生、そして悩んでいる娘に手を差し伸べてくれた優しいお友達に感謝しました。長女にとっても、「自分で気持ちを伝えられた」という経験になり良かったです。
そんな事も乗り越えて挑んだ運動会。
子どもたちの真剣な表情に胸が熱くなりました。またクラスメイトと心をひとつにして挑んだ大技が成功したときは、涙が溢れました。
5、6歳は、まだまだ気持ちを上手に伝えることが出来ない年頃です。組体操やリレーの練習で友だちから嫌なことを言われて、そのことを吐き出せずにストレスになって発疹が出てしまった子もいるようでした。何でイヤなのか、なぜ気持ちがモヤモヤするのかも分からない子もいるようです。
子どもは色々な経験を通して、友だちとのやりとりから優しさを学び、自分の想いが通らなかったとき、意見が食い違ったときの対応方法や、心の収め方を学んでいきます。人間同士のふれあいから五感で感じ得るものは、子どもの心の基礎をしっかりと作り、かけがえのない宝物になるはずです。だから、私たち親は、「見守る」ことが大事なのです。先回りしすぎて、あれこれ子どもに手をかけると子どもの成長を妨げることになるのです。
この頃の子どもは、時に反抗的な態度をとったりします。でも、まだ生まれて約5、6年しか経っていないのです。甘えたいとき、頼りたいときがありますよね。そんなときに、いつでもかえってこられる居場所になりたいです。
だから時折、私は娘をハグしながらこう伝えるのです。
「お母さんはいつもあなたの味方」