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子どものいじめを防ぐには
家族 家族 2017.11.27

子どものいじめを防ぐには

先日も、ある中学校で起きたいじめを苦にする自殺のニュースを目にして、いつもながらこういう報道を見た後はやるせない思いに駆られる。
毎年9月1日は「18歳以下の自殺者数が1年で最も多い日」であることを、親としても改めて心に留めておきたいと思う。「うちの子がまさか」が一番危ないのである。

「いじめのない学校ありき」の選択の危うさ

ひと昔前までは「いじめは荒れた公立校で起こるもの」という認識が浸透していたかもしれない。しかし、文部科学省が公表している調査によれば、国立、公立、私立のどの学校でもいじめは発生している。
そのため、親も「受験で選ばれた家庭の子ばかりだから大丈夫」「この学区なら落ち着いていて大丈夫」などと判断できない時代になっている。

また、以前のように「いじめられた方にもなんらかの原因があるのではないか」といった原因追及のされ方が普通に行われた時代もあったが、現在では子ども自身が「いや」「つらい」と感じたら「いじめ」として認定されるようになっている。そこで、子どもの周囲を取り巻く私たち大人たちも、より子どもの立場に沿った目線で見守ることが必要とされているのである。

子どもは「いじめられていることを隠す」もの。だから…

普段、学校帰りの子どもが、「今日学校でいやなことあってね…」と日常的に親子の会話があるうちは、親も学校での様子やや交友関係が伺えるものだ。その一方で、なかには本当につらいいじめに遭い、誰かに一刻も相談すべき子どもほど教師や親に言えない場合がある。
(親に心配をかけられない)(先生にいじめを受けていることを知られるのが恥ずかしい)といった感情が、いじめの発覚を遅らせてしまうことがあるのである。
もし我が子の様子が最近ちょっとおかしいと思ったら、まずは持ち物や勉強道具を確認することで、子どもの異変を発見するきっかけになる。過保護ということではなく、学用品の補充の意味合いも含めて、時々見てあげることも有効なのだ。

「SNSいじめ」に要注意

ここ最近のスマホの普及によって、中高生さらには小学生まで携帯電話を持つようになってきた。ここ数年で大きく問題になっているのは、SNSを使ったネットいじめである。
クラスの誰かの個人情報をネット上で書き込んだり、LINEのグループトークに入れない仲間はずれしたりなど、殴る・蹴るなどの身体的ないじめにとって代わって精神的ないじめに子どもが巻き込まれやすくなっている。

我が子が被害者・加害者の両方にならないように、ただ携帯電話を与えるだけではなく、与えた親も「電子機器を扱うためのリテラシー」について親子で話し、必要に応じたルールを設けていかなければ、もはや子どもを守れない時代になっているのである。

この記事を書いた人 おおつかけいこ 教師歴10年の経験をもつ教育者。ライティングの「ものかき」でマネージャーを務めるほか幼児教室も主宰 おおつかけいこの記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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