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医師の言葉に泣いてしまった…「嬉しさと不安が同時にやってきた日」
家族 家族 2018.06.26

医師の言葉に泣いてしまった…「嬉しさと不安が同時にやってきた日」

嬉しさと不安が同時にやってきた日

嬉しさと不安① 嬉しさと不安②

結婚も諦めていた私にとって、子どもなんて夢のまた夢の話でしたが、縁あって夫と出会いついには妊娠しました。もちろん”することはしていた”ので妊娠は決して予定外のことではなかったのですが、なんとなく「出来ないだろう」と思っていました。

妊娠が判った時は嬉しかったのですがすぐにドドーっと不安が襲ってきました。そしてすぐに頭に浮かんだのは「出生前診断しなきゃ!!」でした。

出生前診断とは・・・妊娠中にする胎児の検査のことですが、一般的にはダウン症かどうかを調べる検査として認識されていると思います(実際はダウン症だけではないのですが)。全ての障害がわかると勘違いしている人も多いようですが、出生前診断でわかる障害はほんの一部だけです。もちろん自閉症などの発達障害が胎児の段階でわかる検査は存在しません。以前は羊水検査といって1割の確率で流産してしまうリスクを伴う検査が主流でしたが、最近はNIPTといって血液だけでほぼ確実にわかる検査が普及し始めました。

NIPTを受けようと思う方はかなり早い段階で予約を取らないと(週数的にも予約人数的にも)間に合いませんよ!!妊娠が判った段階で紹介状を書いてもらいましょう!!(NIPTは35歳以上と年齢制限がある病院がほとんどですが、ない所もあります)

もちろん、出生前診断では兄と同じ障害である自閉症かどうかはわかりません。それでもやらずに産んでから後悔は絶対にしたくありませんでした。

出生前診断のことを医師に話した瞬間、さっきまで好々爺だった医師の顔がみるみる般若の顔に変わっていきました。

「障害が見つかったら堕胎しようなんて考える人間に親になる資格はない!」と断言していました。

グッサーと突き刺さりました。まさかここまで言われると思っていなかったので、いい歳して恥ずかしいのですが医師の前で泣いてしまいました。妊婦健診に夫がついてきたのはこの時が最初で最後でしたがこの時はいてくれてよかった。先生は不妊や流産で悩む人達を見てきたからこそ、私のような人間は許せなかったのかもしれません。でもね、私には私の事情があるんですよ…。

もちろん私には ※”遺伝”という懸念があるので、ダウン症より自閉症の方を心配しました。自閉症、特に知的障害があった場合のことばかり考え、「私から潔く離婚して、田舎の山奥に引っ越してひっそりと暮らす」か「早めに施設に入所させる」かどちらが良いか、真剣にシミュレーションしていました(汗)。妊娠が判ってからは毎日のように近くに障害者施設はあるのか、田舎ではどんな仕事があるのか、離婚する時の財産分与は…なんてことばかりを検索していました。もうマタニティブルーとかいうレベルじゃありません。マタニティノイローゼ状態です。

同じ時期に友人が2人妊娠し、”妊婦仲間”ということで私もたまにランチに誘われたのですが、彼女たちは障害児が生まれるなんて0.01ミリも考えていません。彼女たちの顔には”幸せ”の二文字しかなく、会う度に「悪阻で酸っぱいモノしか食べられなくなって~」とか「体重の増加がやばくて~」なんて事を嬉々として話すのです。

そして話は生まれた後のことにも及び、「どんな習い事させる?」なんて話題も出ますが、その度に私は「まだどんな子が産まれるかわからないしさ」「まともかどうかわからないし」「まぁ、とりあえず健康であればいいかな」なんて微妙な返し方をしていました。友人たちから見れば私は「嬉しくないの?」と疑問だったと思います。

いいな・・・私も彼女たちのように楽しいマタニティライフを送りたかった。マタニティハイにでもなってフリフリの洋服を買ったりしたかったな。

※遺伝については諸説あります。きょうだい児から障害児が生まれてくる確率は通常の人間より高いという研究結果は出ていません(同じ又は低いという結果も出ていませんが)。私が勝手に心配していただけです。念の為。

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寄稿元:きょうだい児の愚痴吐きブログ

この記事を書いた人 安倍川餅きな子 今まできょうだい児として育ってきた私が好き勝手に過去の思い出や、日常的に思うことなどを書いているブログです。基本的にイラスト(漫画)を描いて、それに解説を付ける形をとっています。きょうだい児の愚痴吐きブログ 安倍川餅きな子の記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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