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ワンオペ育児の弊害!? 優しさに素直になれなくて
家族 2017.07.13

ワンオペ育児の弊害!? 優しさに素直になれなくて

皆さんは「ワンオペ育児」という言葉を知っていますか?

夫の単身赴任や仕事の多忙さのため、妻が一人で子育て全般を担当する状況を指すそうで、最近よく見聞きします。

これを書く私も、実はワンオペ育児という言葉が出回り始める前から、ずっと二人の子どもをワンオペ育児中。産んだ時から自分でするものだと割り切ってきた一人です。

ある日、ベビーカーで二人の子どもと電車に乗っていた時のことです。
眠った子どもをベビーカーに乗せたまま、私は車両の端に立っていました。 

すると突然急ブレーキがかかり、思わずバランスを崩した私は、ベビーカーごと派手に転んでしまったのです。すぐさま起きて子どもの様子を確認すると、ケガもなく幸いでした。

すると、

「大丈夫ですか? 僕がベビーカーを持ちましょうか?」

と声をかける人が。

見ると、美形な男子高校生(不謹慎でごめんなさい)ではありませんか。

唖然とする私に、その高校生はさらに、

「良かったら座っていて下さい。降りるところまで僕が持ちますから」

と、優しい声をかけてくれたのです。

今思い出しても、なんて優しい子なのでしょうか。

ところが、その時の私ときたら、

「大丈夫ですよ。優しいお心遣い本当にありがとう。」

と、彼の申し出をやんわり断ってしまったのです。

ただでさえ子連れで電車は肩身も狭くなりがちな上に、普段こんな優しい言葉をかけてもらう機会もそうそうなく、“ワンオペどっぷり”の私は、急に優しい手を差し伸べられても、その手を取ることができなかったのです。

その高校生は私の言葉に、微かに傷ついたような困惑した表情を浮かべ、そのまま座席に戻っていきました。

その後ろ姿を見た瞬間、私は(しまった。やってしまった)と思ったのです。

見知らぬ子連れに声をかけるのも勇気がいるのに、せっかく声をかけたらあっさりと断られ…その高校生の身になって考えると、申し訳なさでいっぱいになりました。

そう、もっと自然に、人の心遣いを素直に受けられれば良かっただけだったのです。

昨今、待機児童問題や保育園の騒音問題等、子連れになった今では胸が切なくなる話題も多く、決して子育てしやすい世の中ではありませんが、勇気を出して声をかけてくれた高校生を育んだ社会は、まだまだ捨てたもんじゃありません。

育児に気負わず、もっと人の手を借りてもいいと気づかせてくれた、あの高校生にお礼が言いたいです。

この記事を書いた人 おおつかけいこ 教師歴10年の経験をもつ教育者。ライティングの「ものかき」でマネージャーを務めるほか幼児教室も主宰 おおつかけいこの記事をもっと読む>>
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