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スマートフォンが人間を壊す?
コラム 2017.06.27

スマートフォンが人間を壊す?

スマートフォンが社会問題になりつつある、という講演を聞きに行って、衝撃を受けた。かなり深刻に考えた方がいいというのが率直な感想だ。

今年 1 月にデジタルアーツが行った調査によると、子供たち全体(小学生~高校生)の携帯・スマートフォンの一日平均利用時間は 3.2 時間。中学生までは 2 時間程度なのだが、高校生になるとグンと利用時間が増え、男子高校生は 4.8 時間、女子高校生に至っては 6.1 時間だ。(ちなみに、スマートフォン非所有者の平均時間は 1.2 時間であるのに対し、スマートフォン所有者は 3.6 時間。)

電子映像メディアに長時間接すると、短期記憶に関する脳の部分が働くなることが証明されており、学力低下の一因を「メディア漬け」に求める人々も多い。もちろん、スマートフォンにはメリットも多いのだが、心配なのは幼い時から最新の技術に触れてきた子供たちにどのような影響が出るのか、ということである。大人になってからスマフォに触れるようになった場合と、生まれた時からスマフォと共に生きてきたような子供とは、精神的な感性にも違いが出てくる。これは「スマートフォン」の部分を「TV」や「インターネット」にも置き換えられる。メディアが人間の心や脳の成長にいかなる影響を及ぼしているのか、もっと詳しく研究が進められなければならないだろう。

現在のところ、子供たちからスマートフォンを隔離するような対策を取ることは難しい状況だ。位置確認機能は子供たちの安全を守る上で便利だし、学校からの連絡がラインで届くとなれば、スマートフォンを買い与えざるを得なくなる。TVは監視できる大人がすぐ近くにいるので、まだよかった。スマートフォンは大人の目を盗んでどこでも、そしていつまでも使い続けることができる。スマートフォンという小さな画面と共に生活することで、そこに小さな「個室」が生じてしまう。ゲームやネットサーフィンならまだマシだが、時々周りを気にせずアダルトサイトを見ている人もいる。

スマートフォン世代の子供たちが大きくなった時、彼らはどのような感性を持った大人になるのだろうか?動物園で飼育される動物は本能が鈍り、子育てすら放棄してしまうという。人間がメディアによって心や脳に悪影響があった場合、コミュニケーションが苦手で、家族とも希薄な関係を築いてしまわないか心配だ。

正直なところ、スマートフォンを一日どのくらい使っているか尋ねられれば、私自身がドキッとしてしまう。大半をスマートフォンやネットに費やしてしまっている自覚があるからだ。この問題は私たちの問題意識から始まるし、最終的には国民運動として全国に広げなければならない深刻な問題だ。個人や家庭で決める「ルール」だけでは心もとない。地域社会や行政レベルで、スマートフォンのリスクへの対策を打たなければ、この問題には歯止めをかけることはできないだろう。

この記事を書いた人 青井坂道 歴史・文学・自然・思想の好きなライター。ただいま、自己研鑽に励む日々を送ってます。 青井坂道の記事をもっと読む>>
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