子どもに願うこと
先日、宮崎県に帰省しました。
陽射しが強く、陽に当たるとジリジリと肌が焼けていくのが分かります。さすが南国。地元の子どもたちはみな真っ黒に焼けています。
私は、市内にある科学技術館にて、プラネタリウム内で幼児向けの絵本読み聞かせイベントに参加してきました。
プラネタリウムという特別な場所で行う読み聞かせに、イベントが始まる前から子どもたちもワクワク。
プラネタリウムに絵本を投影し、絵本の内容に合わせた挿絵も重なり、効果音をつけながら読み聞かせをしてくれます。さながら劇を観ている気分です。
周りの0歳から5歳くらいの子どもたちも、本の世界に入り込み集中して聞いています。大人は、リクライニングのゆったりした椅子に座りながら楽しみます。
読み聞かせをしてくださったのは、地元の読み聞かせサークルの方々。こんなステキなイベントをボランティアで行ってくださるのだから、親子には本当にありがたいことです。
さて、読んでいただいたある1冊の本が感動的でした。
『うまれたよ! セミ』(写真:新開孝 構成・文:小杉みのり/岩崎書店/2013年)
セミの幼虫は木の上で生まれ、土の中に潜り、約7年ものあいだ土の中で木の根から栄養をとりゆっくりゆっくり成長していきます。
外の世界に羽ばたく日まで、焦らずじっくり時を待つ様子は実に感慨深いものでした。
私は、昨年の夏の出来事を思い出しました。
セミが羽化しているところを見たのです。ゆっくりゆっくり殻から透明な体が出てくるところを。
「頑張って‼」
娘と私は小さな声で応援。
ふと、自分が出産した時に重なりました。
「生まれるまでは、ただ元気に無事に育ってほしいと願っていたのに」
子どもが成長するにつれ、もっとこうあってほしいという希望、親のエゴの押し付けが出ているかもしれないと反省しました。
子どもは子どもの人生。
子ども自身が自分で考え、生きたいように生きられるようにサポートするのが私の役目。 そう反省したはずなのに、また子どもに期待をかけてしまったように思うこの1年でした。
読み聞かせでセミの絵本に出会ったことで、改めて考え直すきっかけになりました。
夏がきてセミを見るたびに、私は1年を振り返ることでしょう。
ぜひ、みなさまもセミの本を読んでみませんか。
何か感じることができるかもしれませんよ。