できちゃった婚、授かり婚が増えた理由
ここ数年で耳慣れた「できちゃった婚」「授かり婚」。少し前までは否定的なイメージを持たれがちでしたが、増加の傾向により世間の声も変わってきました。できちゃった婚や授かり婚が増えるのはなぜでしょうか。
中には「なかなかプロポーズしてくれないから、妊娠すれば結婚に繋がる!」と考える人もいるようですが、年齢別でみると、その割合に大きな差があったことが分かったのです。
結婚の理由が「授かったから」は若い年齢ほど多い
厚生労働省の「出生に関する統計」によると(最新のもので平成22年と少し古いですが)10代で結婚した人のうち、約8割が授かり婚でした。 次いで20代前半は約6割、20代後半は約2割というように、年齢が上がるごとに大きく減少しているのが良くわかります。 若い年齢層にこのような傾向が多い理由は、単純に言えば、結婚前の性交渉が当たり前になったことや、そこに避妊をしない、避妊の知識がないなどといった要因があるのは間違いないことでしょう。しかし、若い子ほど、もっと深いところに原因があるのではないかと感じるのです。
心の拠り所を求めている結果
年齢が若いほど、寂しさや孤独感に堪える力がありません。知っている社会、関われる社会がまだ狭いから、自分のなにかしらの欲求をどこで満たせば良いのかの選択肢が少ないのです。 しかし、一つ言えることは、親が子どもの心に寄り添うべき、ということ。年頃の子どもが、自分の不安定な気持ちを家族に分かってもらえなかった場合……それを理解してくれそうな異性を、心の拠り所として求めるようになるのはおかしな話ではありません。本来であれば家族で話し合うべきものも、家庭に居場所を見出せなければ、子どもはひとりで抱え込んでしまいます。それはつまり、思春期の難しい時期に入るもっと前の幼少期から、親は子どもの拠り所になるよう努めなければいけないということが言えるのです。
できちゃった婚の現実
読者のなかには、ご自身が赤ちゃんを授かって結婚したのかもしれませんし、兄弟や友人が、はたまたお子さんが、そうかもしれませんね。 もちろん、赤ちゃんが授かった場合、誰かにとやかく言われることではなく、これからの自覚と責任を持てば何の問題もないことです。 しかし……生まれてくる我が子にもそれを望みますか?
世間では「できちゃった婚もまた良し」という風潮が大きくなりつつあります。その証拠に「授かり婚」という言葉が生まれたり「ダブルハッピーウエディング」というものができたり。 しかし決して、結婚と妊娠の順序が逆になることを勧める世の中にはならないでしょう。なぜなら、授かったことで結婚した場合の離婚率は高いと言われるからです。正確な調査結果はありませんが、厚生労働省の統計からみると、婚姻を届けた10代男性(18歳以上)の約5割、女性(16歳以上)の約8割が離婚をしていることになります。 これが直接「できちゃった婚の離婚率」とは言えませんが、その要素は少なからず含まれると考えられます。
子どもができ、生まれることは、とても幸せなことです。
しかし今一度、子どもを産むということへの覚悟を、しっかりと胸に刻むべきなのではないかと思いました。
【参考資料】
厚生労働省 出生に関する統計 平成22年
2.出生動向の多面的分析(結婚期間が妊娠期間より短い出生の傾向)より厚生労働省 離婚に関する統計 平成21年 統計表(第3-表2 有配偶離婚率)より