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アセット 5 寄稿記事:地域コミュニティに明日はあるか もはや町会は回復しない…「障害を受容するまでの5段階」に考える現実との向き合い方
コミュニティ コミュニティ 2018.03.27

もはや町会は回復しない…「障害を受容するまでの5段階」に考える現実との向き合い方

もしもの話。青信号で横断歩道を渡っていて、車が突っ込んできたとする。大ケガをして、下半身不随に。自分には何の落ち度もない。まだ若い。ボールを蹴ることも、歩くこともできない。誰かの介助がなければトイレにも行けなくなった…。

こんな運命を受け入れられるだろうか。

パラリンピック選手の頑張る姿を見ながら、障害をもって生きる人たちの気持ちを想像してみた。絶望の淵から、どうやって気持ちを切り替え、立ち直ることができたのだろうか。

障害を受容するまでには、次の5段階があるとされる。①ショック:自分の身に大変なことが起こっていると知って気が動転する。信じがたい気持ちで、感情がマヒする。②否認:「治療すれば元の状態に戻る」と信じる。無意識に障害を無視する。③混乱:回復が見込めないことを悟り、それまで封じ込めていた怒りや悲嘆、絶望感に苛(さいな)まされる。④適応:あきらめ、開き直り、前向きに考えようとする。⑤受容:障害を受容し、第二の人生に生き始める。

もちろん、みんながみんな立ち直れるわけではない。特に③の混乱期が大変だという。パラリンピック選手のように、第二の人生に生きがいを持って生きている人たちを、心から尊敬する。その強靭な精神力と、寛容な心は崇高だ。

先日、脳神経外科を受診し、CTスキャンで脳を診てもらった。後頭部に頭痛を覚え、その痛みが3日続いたので、脳疾患を疑ったのだ。結果は「異状なし」。ホッとした。ストレスによる頭痛ということだった。

ストレスの原因は分かっている。町会のことだ。そうでなくとも、個人のこと家庭のことで悩みがあるのに、町会の問題がズシンと圧し掛かり、ストレスが許容範囲をオーバーしたのだ。

今も処方薬を飲んでいるが、町会のことを考えると、頭に痛みが走る。でも、町会は待ってくれない。立ち直るしかない。

おそらく、今の私の状態は障害受容でいうところの①→②段階を経て、③段階にあるのだろう。「もはや町会は回復しない」という現実を悟り、悔しさと絶望感で頭が混乱しているのだ。

大変は大変でも「町会は維持できる」と信じてきた。発展させることはできなくとも「そこそこの活動はできる」と思ってきた。が、どうにもこうにも、やれそうにない。最悪のシナリオが現実味を帯びてきたのだ。いくら考えを巡らせても堂々巡り。ついに、そのストレスが脳をオーバーヒートさせてしまった。

こうなったら、考え方を根本的に改めるしかない。「今まで」のことはすべて忘れよう。

「これまでできていたことが、できなくなった」という現実を受け入れ、新しい地域コミュニティ観でもって、できることをやるのだ。

過去や他町会と比較してもしょうがない。全く新しい町会像を描いて、そこにやりがいや楽しみを見出すしかない。

地域コミュニティに明日はあるか
この記事を書いた人 吉原正夫 地域コミュニティが崩壊している。この流れを食い止めるには、どうしたらいいか。地域コミュニティ再生に掛けた現役町会役員の挑戦を綴る。
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