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【連載】奇跡の連続!子どもを授かり無事に出産すること Part13~ラストチャンス! 体外受精に踏み切る~
家族 家族 2017.08.31

【連載】奇跡の連続!子どもを授かり無事に出産すること Part13~ラストチャンス! 体外受精に踏み切る~

体外受精に踏み切る決断

Part12までで人工受精を繰り返した話をお伝えしましたが、残念ながら授かりませんでした。兄弟は3歳差がいいと望んでいましたが、気が付けば4歳差になるほど時が経っていました。また、35歳という高齢出産のボーダーも近づいてきました。そこで、不妊治療の最終段階~体外受精~に踏み切ろうと決断したのです。

ちなみに体外受精とは、採取した卵子と精子を同じ容器に入れ、その中で受精させて、できた受精卵をある程度まで培養してから子宮内に戻す方法です。その後の着床(受精卵が子宮にくっつくこと)は自然に行われるため、この着床がうまくいくかどうかが成功のカギを握っています。

体外受精を行う決断は容易なことではありませんでした。私は、毎日ホルモン剤投与をしたり、局所麻酔までして採卵するなど仕事や体への負担も増えるばかりで不安でいっぱい。それに対し、旦那さんは今までと何ら変わることがないためとても楽観的。「あなたの精子が元気じゃないから、私はこんなに苦労しているの…」と言葉に出そうになるのを必死でこらえました。そんなこと言っても彼を傷つけるだけです。私は「長女に兄弟を作ってあげたい」その一心で体外受精に踏み切ることにしました。

ただ、「もし体外受精でも授からなかったら」と考えると非常に暗い気持ちになりました。不妊治療の最後の砦、体外受精。「一年後の私はきっと笑っているはず!!」そう念じて後ろ向きになりそうな気持ちを振り切りました。

体外受精説明会

私の通った病院では、体外受精希望者は必ず夫婦揃って説明会に参加しなければ
いけないというきまりがありました。週1で行われる説明会も予約いっぱいで、席が確保できたのは1ヶ月先でした。一刻も早く授かりたいと願う夫婦にとって、この1ヶ月は遠く感じるものです。

さて、説明会当日。子連れ不可のため長女を両親に預け、夫婦で参加しました。体外受精の流れ、成功率、費用、身体への負担、他院との違いなど詳細に説明がありました。参加者はみなメモを取りながら真剣に医師の話に耳を傾けています。他院で体外受精を経験済みの方も多く、質疑応答では医療用語が飛び交います。私たちは理解が追い付かず、授からないのではないかと敗北感に似たものを感じました。

帰宅してから夫婦で話し合いです。私の通っていた病院では、人工受精の費用は月3~4万ほどでしたが、1回の採卵~体外受精まで50万ほどかかる計算でした。とても大きな出費です。助成金も総所得対象外のためもらえません。今後の生活を考え、採卵は2回までにしようと二人で決めました。

それまでにすでに何度も仕事を辞めたいと思っていました。でも、共働きで頑張ってきたからこそ、何とか体外受精の費用を賄うことができました。きっと体外受精に挑戦したくてもできない夫婦は多いと思います。最近、不妊治療に対応する保険なども出てきました。子どもが欲しいと望む夫婦に平等にチャンスが与えられる制度が整うことを切に願います。

【連載】奇跡の連続!子どもを授かり無事に出産すること Part14 ~1/9の確率~ に続く。

この記事を書いた人 まちださやこ 大手教育出版社出身の編集者@株式会社子育て研究所、保育士の資格をもつライター。2児の母。 まちださやこの記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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