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早期発見・早期治療~子どもの目~
家族 家族 2017.11.23

早期発見・早期治療~子どもの目~

先日、日本経済新聞で『弱視 7歳までに治療』という見出しを見つけて食い入った。
三井記念病院眼科の赤星隆幸先生による記事だ。

記事によると、子どもは脳の発育と共に身体が成長する。視力も同様だ。
視力は7歳ごろまでに発達。特に生後2ヶ月から2歳ごろまでは、視覚をつかさどる脳の神経回路が盛んに形成される重要な時期とのこと。この時期に眼球に何らかの異常があり、網膜の中心にある黄斑部に鮮明な画像が映し出されないと、視力の発達はその段階で止まってしまうらしい。大人になって治療しようとしても、視力はそれ以上よくならないのだ。

私がこの記事に注目したのには理由がある。
長女が3歳児健診のときのこと。視力の検査を終え、医師に何か質問はあるかと聞かれちょっと気になっていたテレビを斜めに見ている(顔の向きがほんの少し左側が前に出るように感じる)と話したところ、先生の表情が変わった。
「斜視の疑いあり」との診断で要精密検査になった。

軽い気持ちで相談したことだったので、“まさか娘の目に問題があるなんて”とショックを受けた。斜視という症状が今後どんな影響を及ぼすか具体的に分からないまま娘の将来を不安に感じ気分が落ち込んだものだ。また、なぜもっと早くに病院にかからなかったのだろうと自分を責めた。
帰宅し、インターネットで斜視について調べると情報がたくさん飛び込んできた。どれが正しい情報か分からずますます不安が膨らんでいった。

後日、紹介された小児専門の眼科へいった。検査の結果は問題なし。「ただの癖でしょう」とのこと。ただ、若干左右で視力差があるので、1年に1度は視力検査をしましょうと言われた。3歳くらいでは、視力検査もどのくらい正確にできるかは難しいところらしい。ひとまず「問題なし」という言葉に安堵した。

私の過去の経験のように、自分の勝手な判断で大丈夫だろうと子どもの身体の判断をするのは危険だ。
弱視は、脳の発育が完成する7歳ごろまでに訓練すると治るようだ。幼いからといって、手術や眼鏡を避けているとせっかく治るはずの症状もそのままになってしまう。
一生の視力の成長に関わる大事な時期。“ちょっと気になる”その程度でも病院で相談してみることをお薦めしたい。
手遅れにならないよう、親が子どもの少しの変化も見逃さないようにしてほしい。

この記事を書いた人 まちださやこ 大手教育出版社出身の編集者@株式会社子育て研究所、保育士の資格をもつライター。2児の母。 まちださやこの記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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