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連載 おとこの育児日誌 Vol.1 突然の入院と立会い分娩
家族 2017.06.29

連載 おとこの育児日誌 Vol.1 突然の入院と立会い分娩

こんにちはにゃっぱです。

突然ですが、私は早産で生まれてきました。母によると1ヶ月早く生まれてしまったそうで、産休で休む直前だったそうです。無事に生まれてからもミルクを飲む力がなくスポイトで飲ませながら、体重が増えた、増えない、で一喜一憂していたらしいです。そういう話を聞くと、改めて育ててくれた両親に感謝の気持ちが込み上げてきますね。

さて、出産予定日はあくまで予定日。予定日ちょうどに生まれて来る方が珍しいはずです。それでも予定日を目標にしていろんな予定を立てたり計画したりしちゃうものですよね。私も、予定日の前の週まで仕事の予定を入れていました。

出産は突然に

予定日の一週間前、ちょうど定期検診で産婦人科に訪れている時でした。検診を終えた直後に妻がニヤついた顔で戻ってきたので、何事かと内心ドキドキしたのですが、何と明日から出産のために入院するとのこと!

何でも、お腹の赤ちゃんは元気だけど普通より少し小さい疑いがあり、羊水も少なくなってきているので予定日まで待つよりはすぐに産んだ方が良い、ということでした。本当はすぐに入院でもよかったそうですが、色々準備もあると思うから明日からね、と言われてその日は家に帰ることに。

病院から帰った後は、夫婦共々現実味がなくて何だかぼーっとしてたというか、フワフワした感じでした。ある程度の入院準備はすでにしてあったのであまりごたついた感じもありませんでした。二人して期待とも不安とも取れない不思議な気持ちで、ぼーっとしていただけなのに1日があっという間にすぎていきました。

入院と陣痛促進剤

次の日いよいよ入院しましたが、しばらくは大きな動きはなく昨日の浮ついた気持ちを引き続き持ちながら時間がすぎていきました。

そしてお昼頃。お腹の赤ちゃんの心音と陣痛の様子を確認するための機会を取り付け、意図的に陣痛を起こすために陣痛促進剤の点滴を打ち始めました。

すると促進剤を打ち始めてほとんど時間が立っていないにも関わらず、妻が痛みで顔を歪め始めました。痛みが出始めたのが、ちょうどお昼ご飯の途中だったせいで箸を持ったまま動けず顔をしかめたまま、何やら滑稽な雰囲気に。。10分ぐらいで痛みは治りましたが、初産ということで陣痛の痛みも初めてです。もう生まれるんじゃないか?! なんて私は思ってしまいましたが、看護婦さんの様子を見ると全然そうではなさそうでした。

実際、その後も痛みが強くなったり弱くなったりをずっと繰り返していましたが本格的に生まれる!とはならず。といっても妻も私も子供を産むのも産まれるのを見るのも初めてですから、産まれる時どんな感じになるのか分からず、痛みが強くなるたびに一喜一憂していたように思います。もう産まれるんじゃないか!と思ってナースコールをしたら「まだ大丈夫そうね」なんて言われてしまったりもしました。

男性目線からですが、陣痛はか・な・り痛そうです。例えるなら、戦争映画で大怪我した兵士を看病している時のあんな感じの痛がり方です。もちろん個人差はあるみたいですが、人によっては病室の外からも苦しむ声が聞こえたりします(叫び声に近いことも)。夫としてはもちろん何とかしてあげたいのですが、できることはそんなにありませんでした。私ができたことといえば、病院でもらった冊子に陣痛中奥さんにしてあげる手のマッサージ方法が載っていたのでそれを一生懸命やってあげることぐらいです。

結局その日のうちには産まれないまま促進剤は打ち終わりました。陣痛もおさまってしまい、出産は次の日に持ち越しとなりました。ただ、もしかしたら深夜から朝にかけて産まれるかもしれない!ということだったので、本来男性は泊まってはいけないそうなのですが、この日特別に私も病室のソファーで泊まらせてもらいました。

出産と立会い分娩

結局深夜にも早朝にも出産にはいたらず2日目を迎えました。

朝ごはんを食べた後またすぐに促進剤を打ち始めました。聞いた話ですが、人によってはこのまま生まれずに母子の体力をみて帝王切開になる場合もあるそうです。そんな話を聞いていたので、今日は少し心配でしたが妻の様子を見ると昨日よりも痛みが強く出ているようでした。看護師さんも言っていましたが、陣痛の痛みに限っては痛いことが産まれるサインなので良いことなのだそうです。妻も痛いには痛いようでしたが、夫婦共に「もうすぐ生まれるのかな」という期待感も高まっていました。

13時ちょっと前だったと思います、妻の痛みがピークを迎えました。陣痛のピーク時の痛がり方は本当に痛そうです。この時の妻がどんな様子だったかというと、苦しそうに顔をしかめて、結構大きめのうめき声をあげて、顔には冷や汗、手が震えて、しまいには目に涙をためて泣き出していました。それでも、病院で教えてもらった呼吸方法を一生懸命に実践しながら、お腹の赤ちゃんに空気を送るために何とか呼吸を頑張っていました。

この段階になってくると、私の方も気がきではありません。内心かなりソワソワしながら、手のマッサージをしてあげたり、涙を拭ってあげたり、手を握ってあげたりを繰り返していました。

産まれる直前の痛がり方は夫の立場から見たからか尋常ではない感じでした。痛みで呼吸もおぼつかない感じで、言葉もほとんど発せれないほど。何とか妻が「産まれる!!!」と言ってくれたので即座にナースコールしました。助産師さんも声に気づいていたのかナースコールを押すのと同時に病室に入ってきて妻を分娩室まで連れて行ってくれました。

私は少し待っているように助産師さんから促され、とうとう出産か!と思い立会い分娩のために着る手術着に着替えて待っていました。ただ、待っている時間が想像以上に長い。後から確認してみると15分ぐらいでした。ソワソワしていて時間がすごく長く感じていたようです。漫画やアニメで室内を行ったり来たりしてソワソワ感を表現する場面がありますが、私はまさにそれで病室内を行ったり来たり行ったり来たりをずっと繰り返していました。

「旦那さん急いで来てください!」その時は突然にと言いいますが、突然でした。これは良いことなのですがどうやらかなり早いペースでお産が進んでいるらしくもう産まれそう!ということで急いで呼びに来てくれたそうです。

分娩室に入ると、すぐに妻の手を握りました。妻もいつ私がくるのか少し心配していたそうで、苦しそうでしたが、すぐに手を差し伸べてくれました。と、すぐさま看護師さんに「手はそこじゃないですよ!」とお叱り(笑)。妊婦さんはちゃんと踏ん張るために分娩台の両側にある棒みたいなものを持っていないといけないそうです。そして夫の方は奥さんが力むのと同時に背中を押してあげて力むのを助けてあげるのが良いそうです。

映画とか漫画の見過ぎなのか、横に立って手を握って励まして、なんて姿を想像していたのですが全然違いました。お医者さんの「はい、力んで!」という号令とともに妻が「んうううう」と力み私が「おおおおお」と押し(なぜか声が出てました)補助してくれる助産師さんも「ぬうううう」とお腹を押す、という今思うとすごい光景です。おそらく、予想よりかなり早く分娩が進みもう産まれる!というタイミングで私が入ったのだと思います。そのために雰囲気は最初からクライマックスという感じでした。

分娩室に入って20分ほどでしょうか、とうとう頭が見え始めました。「頭が見え始めましたよ!」とお医者さんに促されて「頭が見えた、見えたよー」と妻に教えてあげました。 ただ、その時の妻はそれどころじゃなかったそうです。

頭が見えてから3、4回力んだところでとうとう産まれました!産まれた直後どんな気持ちになるだろうと想像していましたが、とにかくすごいスピードで大騒ぎという感じの分娩だったので中々実感が湧かず、しばらく「へその緒が切られるまではやっぱり泣かないんだなあ」とか初めての産声を聞いて「すごい録音したみたいに綺麗な産声だ」なんてちょっと冷静に考えたりしていました。赤ちゃんと初めて対面した時も、夫婦ともに何か現実感のない感じでぼーっとしていたので側から見ると感情が希薄な感じに見えたかもしれません。妻も赤ちゃんを見た後中々実感がわかなかったそうです。

産まれたその後

産まれてちょっと対面した後、妻はそのまま分娩台で休憩し、赤ちゃんの方は身長や体重を測るために別室へ行きました。身長や体重を測っている時は写真を撮っても良いそうです。てっきり写真はダメだと思っていたので「お写真を撮っても良いですよ」と言われてちょっとびっくりしながら急いでスマートフォンを取りに病室へ。体重は2320gとちょっと小さめでした。1ヶ月早く産まれた私が2500gぐらいだったそうなのでそれよりもさらに小さいことになりますね。ただ、大きさのわりにとても元気だとお医者さんに聞いて安心しました。

その後、新生児室に入った赤ちゃんを外から眺めていて少しづつ実感が湧いてきました。不思議なもので自分の子供となるとすごく可愛く思えてしまうみたいですね。赤ちゃんを見ている間ずっとニヤニヤしたり写真を撮ったりしていて側から見ると完全に気持ち悪いおじさんでした(笑)。

まとめ

初めての立会い分娩は想像とは全く違う事ばかりで、やはり実際に体験することって大事だと思いました。陣痛がどんなに痛いか、お産の時に奥さんがどんなに頑張っているか、赤ちゃんがどんな風に産まれてくるか。それを知って体験することで、夫婦の間でさらに絆が深まり、これから始まる育児でも力を合わせて乗り越えていく原動力になるのではないかと思います。

この記事を書いた人 にゃっぱ 最近父親になったばかりのフリーのシステムエンジニア、チーム作りと子育ての記事を中心に執筆しています。その時のノリで記事ごとに語尾が変わったりしする人です。 にゃっぱの記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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