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学歴コンプレックスはなぜなくならないのか
教育 2017.10.26

学歴コンプレックスはなぜなくならないのか

今や、学歴がなくても多くの収入を得る人が増えたことにより、学歴が全ての「学歴社会」は終わりを迎えたようにも囁かれていました。
しかしながら、毎月安定した月収の入る職業に安心を覚える人が今もなお多く存在します。そして、安定した職業に就くには、ある程度の学歴が必要であるという現実は未だあるのです。

私の知り合いのご主人は、30歳を目前に転職を考えています。
様々な就活手段を使って夫婦で探しているようですが、高卒の学歴からは、特別な専門知識がなければ、体力勝負の仕事が多く、選ぶ段階で難航しているそうです。また、流行りの就活アプリで検索していても、大卒のチェックを外せば、選択肢の数がグッと減り……。更には会社案内に記された「学歴不問」の文字に、夫婦で少し切ない想いをするのだそう……。知り合いは「学歴はあまり気にせず生きてきたけれど、ここに来て突き付けられた」と肩を落としていました。

最近では、お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、「学歴コンプレックス」により、青山学院大学の受験を決意したことを発表したばかりです。
学歴不問と聞いて1番に思い浮かぶ職業と言っても過言ではない芸能界で、彼が学歴コンプレックスを感じた理由は何だったのでしょうか。

実は、古城や神社に詳しい淳さん。彼を案内人に「おしろツアーズ」「やしろツアーズ」という番組が組まれるほど知識が豊富で、普通では知り得ない内容まで会得しているからこその“知識欲”があるからでしょうか。
はたまた、お子さんが生まれ、成長して行く中で、将来的な親としての立場を考えたからでしょうか。巷では、政界進出のステップかなどともいわれています。

淳さんが「学歴コンプレックス」を払拭しようと試みた本当の理由は分かりませんが、ただ一つ言えるのは、学歴不問の芸能界でも、やはり学歴のある芸能人はそれだけで話題になること。活躍中の俳優さんや女優さんが高学歴とあらば、更に人気が上がるのは、今も昔も変わらない風潮のような気がします。

私の友人が、子どもを授かった時に言いました。
「頭が悪くてもいいから、優しい子になってほしい」と。
確かに、頭が良いことを盾にして人を見下してしまうならば、私もただただ優しい子になることを望みます。しかし、頭が良いことと優しいこと、どちらも望めるのであれば、「頭が良くて優しい子」であることに越したことはありません。
つまり、頭が良く、それでいて学歴があることを悪く言う人は、今までもこれからもあまりいないのでしょう。

学歴のある人は「学歴は関係ない。学歴があっても仕事ができない人、学歴がなくても仕事ができる人はいる。」と言います。
しかし頭が良くないと思っている人にとって、頭の良い人を前にして劣等感を抱くことは否めないのではないでしょうか。

劣等感を感じながらも何もしない人が多く、学び直しが非常に珍しい日本において、人生の中盤で大学を受験しようと考えることは勇気の要ることでしょう。学歴なんて関係ないと言える世の中でも、自分を変えたいと思う気持ちになれる人たちの信念は、心から讃え応援すべきではないかと感じるのでした。

この記事を書いた人 まゆ先生 専門家としてTV出演実績もある保育士ライター@株式会社子育て研究所 まゆ先生の記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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