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振り返って確認したい喪中のマナー「嬉しい報告はどうする?」
コミュニケーション 2018.02.11

振り返って確認したい喪中のマナー「嬉しい報告はどうする?」

「今年は結婚したので年賀状で報告しよう」「新築したので知らせよう」「子どもが産まれたので出産報告をしよう」と思っていたはずが……身内が亡くなって喪中になる場合もあります。
故人を惜しみ悲しみで喪に服しつつも、嬉しいことがあった年などは報告がてら挨拶の年賀状を送りたいと思うものです。
今回は、喪中ながら嬉しい報告をしたい場合のマナーを紹介します。

身内に不幸あり 喪中時に年賀状は出してよい?

大前提として、“自分が喪中にあたるか?”を確認しましょう。
一般的には、自分を中心に考えて一親等(父母や子ども)、二親等(兄弟姉妹や祖父母、孫)が亡くなった場合に喪中になると言われています。
喪中の考え方は、住んでいる地域や家庭・家系、同居の状態や宗教によっても異なりますので確認が必要です。

みなさんも「喪中ハガキ」をもらったことがあると思います。喪中ハガキには意味があり、「親族が亡くなりました。悲しみのため喪に服しておりお祝いごとは控えています。そのため新年のお祝いや年賀状は出しません」ということを表しています。そのため、自分が喪中にあるとしたら、基本的には年賀状は出しません。

注意が必要なのは、プライベートとビジネスの使いわけです。友人や知人などプライベートの付き合いには喪中ハガキを送り、仕事や会社等のビジネスシーンでは、通常どおり年賀状を送るというプライベートとビジネスを分けた考え方もあります。特に、会社から送る場合は、プライベートの喪中に関係なく、ビジネスパーソンとして送ることが多くなります。

喪中時の期間とマナー

喪中の期間は、一般的なところでいうと1年間です。1年経てば、死者のけがれがなくなるという考え方からきています。その中で、四十九日の法要までは忌中(きちゅう)と言われ、より厳格に身を慎む期間とされています。

喪中の間は、祝いごと、おめでたいことをしないのが基本です。そのため、おせちや初詣も控えるのが慣習ではあります。そして、年賀状を送らない代わりに、年賀を欠礼する挨拶状の喪中ハガキを送ります(12月ごろ)。その際に、結婚報告などお祝いごとを添えるのはマナー違反になります。
喪中はがきは、身内に不幸があり喪に服していることを伝え、年賀を欠礼する挨拶ですので、そこに結婚などの嬉しい話題が混在していたら受け取り側も混乱します。特に、忌中は、結婚式が決まっていても日程を変える方もいるほどですので注意しましょう。

喪中時の嬉しい報告はどうする?

では、喪中でも嬉しい報告をしたい場合はどうすればよいでしょうか?
次の4つの方法から選択するとマナー違反にならずスマートです。ぜひ参考にしてください。

<1>寒中見舞いに嬉しい報告を添えて送る
寒中見舞いは、季節の挨拶状として年始に近いタイミングで使用することが可能です。近頃では近況を報告するために使われることもあります。
寒中見舞いは、松の内(1月7日)が過ぎてから立春(2月4日)までに出します。投函は1月末までを目安にするとよいでしょう。
喪中時にもらった年賀状への返事としても使うことができますので便利です。暑中見舞いをイメージするとわかりやすいですが、季節の挨拶として幅広い用途で利用できます。そのため、嬉しい報告を寒中見舞いですることもマナー違反ではありません。

<2>喪中を終えてから報告する
厳格な方法として、喪中を終えてから嬉しい報告をするという方法もあります。この場合は、結婚報告ハガキや出産報告ハガキとして、嬉しい報告を全面に出してお祝いごとを明るく報告することができます。喪中のため長い間欠礼したお詫びを一言添えておくとより丁寧になります。

<3>メールやSNSで報告する(正月を避けて)
最近では、メールやSNSでも用件を気軽に写真付きで送ることができるようになりました。ハガキなどの形式的な挨拶状にこだわらずに、このようなツールを使えば一年中気軽なやりとりが可能です。受け取った側も早めに報告がもらえて嬉しいと思います。
ただし、いくら気軽とはいえ、あえて正月に送る必要がなければ、三が日は避けたほうが望ましいです。

<4>来年まで嬉しい報告を見送る
年賀状だけのやりとりが続いている人もいると思います。その場合は、わざわざ他の手段を取る必要はありません。1年待って、翌年の年賀状で報告するのも失礼ではありません。
むしろ、相手によっては、「喪中にまで無理して結婚報告がしたいの?」などと快く思わない方もいますし、関係が近い方にはすでに伝えているはずだからです。
1年以上も経過してから報告するのではきまりが悪い……という場合は、喪中だった旨を軽く添えるだけで十分です。

喪中なのに年賀状が届いたら?

喪中でも年賀状がくることはよくありますが、年賀状をもらうこと自体はまったく問題ありません。年賀状を受け取ることが失礼になるのでは?と考える人もいますが、年始の挨拶をされたという意味ですので、受け取る分にはよいのです。
また、喪中でもあえて年賀状がほしいという方もいます。その場合は、喪中はがきの文面に、「例年どおり、年賀状をお待ちしています」と書き添えてみるのもよいでしょう。

番外編:喪中の方への年始挨拶

最後に、相手が喪中のケースの振る舞い方をご紹介します。
実は、相手が喪中でも年賀状を送ることはマナー違反ではありません。年賀状のない正月は寂しいというご遺族も多いので、年賀状を出して励ますという気遣いもあります。
ただし、年賀状には新年を祝う意味も含まれているので、「年賀」「賀正」「謹賀新年」などのお祝いの言葉を避けるのがベターです。単に、新しい年の挨拶状としての年始状、もしくは喪中を見舞う気持ちを伝える喪中見舞いとして出すのがよいでしょう。
いずれにしても、喪中の方への配慮とお悔やみの気持ちを示すことが大事です。

いかがでしたか?
近年は、デジタル化が急速に進み、紙の挨拶状は急減しています。2018年用年賀状の発行枚数は、2017年用と比べると9%も少ないと日本郵便が発表しています。若い世代では、メールすら送らず、LineなどのSNSで新年の挨拶をするのが普通になりました。
嬉しい報告は時と場合を考えて……ではありますが、マナー違反にならない範囲で、相手との関係を考えて手段を選ぶのがイマドキのスタンダードなのでしょうね。

この記事を書いた人 佐藤理香 株式会社子育て研究所代表 佐藤理香の記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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