「コミュニティワーク」とは何か?30代社会福祉士がレポートっぽく説明してみた!
はじめに
社会福祉士の資格を取るとき、地域福祉を勉強しなければいけません。
そして、コミュティワークは地域福祉において、とても大切な要素でもあります。
特に社会福祉協議会やボランティア事業に興味のある方はこのコミュニティワークを知っておいた方がいいですので、レポート風に説明してみました。
コミュニティとは何か
まず、コミュニティとはどういう意味なんでしょうか。
アメリカの社会学者・マッキーバーは、コミュニティとは「たえず相互に関係し合う心の活動によって創られる」と述べて、教会、学校、会社のような利害関係で作られる「アソシエーション」と対比するものとしていました。
また、コミュニティを成立する条件としてコミュニティ感情(われわれ意識・役割意識・依存感情)をあげています。
コミュニティを作るには、自分から近所付き合い、自治会などの地域社会とのつながりを作る努力が必要であり、常に関係を続けていかなければいけません。
その中で地域での支えあいが生まれ、何か問題を抱えた時にその状況に気づいてもらったり、援助を受けたりすることができるようになります。
この関係性がマッキーバーの主張するコミュニティの「核」です。
コミュニティワークの歴史について
コミュニティワークのさきがけは、1869年にイギリス・ロンドンで誕生したCOS(慈善組織協会)です。
この当時のイギリスは貧困問題が深刻であり、各々で慈善活動を行っていたが、活動場所がバラバラで援助が必要な人に行き届かないこともありました。
なので、COSは多くの慈善団体に連絡・調整し、まとめることで、漏れがなく支援が広く行きわたる活動を行います。
このコミュニティワークがアメリカに渡り、やがて世界規模で広がることになりました。
COSの詳細は以下の記事で紹介しています。ご参考まで。
【社会福祉士試験対策その2】 COS(慈善組織協会)ついて、簡単にまとめてみた。
コミュニティワークの価値とは
コミュニティは地域に住む人たちのつながりによって創られるものです。
しかし、わたしたちは「まちづくり」「地域おこし」を考えるとき、コミュニティ外部の人たちに働きかけ、その地域に訪れてもらう方法を見つけて、活性化を図ろうとします。
だから、コミュニティは外部の人に対してオープンな性格を持っています。
コミュニティの外部にいる人たちが、コミュニティの人たちに会いにいき、その地域を体感することで起こる化学反応こそが「地域活性化」であり、コミュニティワークの価値です。
その外部との交流機会が多いほどコミュニティの活力を生み出すことになります。
コミュニティワークにみられる2つのポイント
現在、コミュニティワークでみられる傾向が2つあります。
1つ目は「住民主体」で地域社会にある問題を解決するアプローチです。
住民が自ら進んで取り組むためには、地域社会の社会資源を整備し、住民の地域福祉への関心を高める活動が必要になります。
2つ目は「専門職」が中心になって地域社会の問題を見つけ、関係機関と連携するアプローチです。
今、地域における医療・介護の関係機関による連携が求められているように、専門職同士の連携は地域福祉に重要な役割を担っています。
地域社会の問題を解決するのは「住民主体」が理想的です。
しかし、住民が地域社会の問題に気づいていない、気づいてもそのまま放置されてしまうこともあります。
最近、東京・文京区の社会福祉士協議会が、自ら地域に足を運び、積極的に地域社会のニーズを拾いに行く 地域社会コーディネーターという活動を行っています。
専門職が主体になり、地域福祉のニーズを把握し、そこから地域住民を巻き込んで解決する方法も、コミュニティワークをする上で大切な技術です。
最後に
今回はコミュニティワークについて実体験を通して、解説してみました。
あと、面白いコミュニティワークの取り組みとして、地域おこし協力隊という活動があります。
これは、若い人が都会から地方に移住をして、地域ブランド化や地場産品の開発・販売・プロモーションし、盛り上げるプロジェクトです。
地方での暮らしに興味がある・そんな方々を受け入れたいという方はやってみてはいかがでしょうか。