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みんなで家を建てよう! ~コーポラティブハウスの持つ魅力~
コミュニティ コミュニティ 2018.02.26

みんなで家を建てよう! ~コーポラティブハウスの持つ魅力~

2月も終盤に差し掛かかってきました。
もう少ししたら3月になり、そしてあっという間に4月を迎えます。

新年度を機に、転勤や進学で新しい住まいを探す方も多いと思います。
もしかすると、マイホームを持つ方もいるのではないでしょうか?

そこで今回はそんな住まいについて、最近とあるドラマの舞台としても取り上げられている、ちょっと珍しい、でもとても素敵な「コーポラティブハウス」をご紹介します。

コーポラティブハウスとは?

コーポラティブハウスとは、マンション(集合住宅)の一種です。
一般には、入居希望者によって結成された建設組合が事業主体となり、建設したものを指します。もともとヨーロッパが発祥で、日本では昭和40年代から建設されていました。

建設組合が事業主体となり建設。いったいどういうことでしょうか?

一般にマンションは、民間デベロッパーなどが事業主体となり、建設します。私たちは建設された分譲マンションの中から、予算や間取りを基準に住戸(部屋)を選び、購入します。
しかし、コーポラティブハウスの場合、「住まいが欲しい」という人たちが集まって建設組合を結成し、自分たちで土地の取得や資金調達を行い、間取りや設備を話し合って、発注・建設します。

つまり、業者が作ったマンションの中から選ぶのではなく、自分たちで作ってしまおう!
というわけなんです。人が集まれば、そんなこともできてしまうんですね。

建設組合は建物が完成すると解散します。代わりに、それぞれの住戸の所有者によって構成される管理組合を結成し、マンションの維持管理を協力して行います。

住まい手が作ることの良さ

コーポラティブハウスは、間取りも自分たちで考えるため、住まい手のニーズに合った、オリジナルな住まいを手に入れることができます。また、業者が業務として行う部分を自分たちで行うため、コストが下がるというメリットもあります。

もちろん、全員マンションづくりのプロではないので、コーディネートしてくれる専門家や、コーポラティブハウスを専門に扱う業者もあり、サポートをしてくれます。

自分たちで作るということで、計画段階から建設までは、1年から2年ほどかかってしまいます。
ですが、その間の組合内での話し合い、建設後の生活ルール作りなどで、お互いの関係性が深まるのも魅力の一つです。

あらかじめ関係性が成立した状態で入居するため、新年会などの季節行事やお祭り、広報誌の発行やサークル活動といったコミュニティ活動が活発に行われています。

マンションといえば、お互いの関係性が薄いというイメージもありますが、「集まって住む」ということの魅力を最もよく実現しているのがコーポラティブハウスなのかもしれません。

海外のコーポラティブハウス

さて、今までのご紹介は日本のコーポラティブハウスの話でした。
では、海外ではどうなっているのでしょうか。

海外のコーポラティブハウスは一般に「住宅協同組合が所有する住宅」のことを指し、その多くは、低所得者向けの社会住宅として建設されます。

この「住宅協同組合が所有」というところが、海外と日本のコーポラティブハウスの決定的な違いなのです。

日本のコーポラティブハウスは、それぞれの住戸(部屋)の所有者は、基本的にその住戸に住んでいるうちの一人を指します。
しかし、海外では個人ではなく、集団である「住宅協同組合」が、それぞれの住戸を含む建物全体を所有しています。入居する場合は、組合に加入することで可能となります。

つまり、建物を所有する住宅協同組合の一員であると同時に、自分の住む住戸の所有者ではないという、「持ち家」と「借家」の中間の所有を実現しているのです。

海外ではこうした所有形態を取ることで、質の良い住宅に低コストで住むことができます。また、住んでいる人が責任を持って、協力しながら建物の維持管理を行える仕組みが整備されているのです。

これからのコーポラティブハウス

日本のコーポラティブハウスの特徴、日本と海外のコーポラティブハウスは全く違うということが、少しわかっていただけたでしょうか?

自由な間取りや低コスト、コミュニティの親密さ以外にも、コーポラティブハウスは「新たな所有形態」という大きな可能性を秘めています。

日本では、住宅協同組合が建物を所有することは法律上できません。
ですが、海外のコーポラティブハウスのように、より良い住まいを多くの人が手に入れ、自分たちで責任を持って管理できる仕組みを整えることは、今後、必要とされていくのではないでしょうか。

こうした、公的機関や民間に依存せず、自分たちの力でより良い住まいを手に入れる運動が広まっていけばと思います。

少々長くなりましたが、コーポラティブハウスの紹介を終えます。
ぜひ、この機会にコーポラティブハウスに関心をもってもらえると嬉しいです。
また、自分の住まいについて、お隣さんやご近所さんとの関係について見つめ直す機会になればと思います。

この記事を書いた人 住まいとコミュニティについて模索しつつ、まだまだ勉学に励む日々。もう少し柔らかい文章を書けるよう頑張ります。 胤の記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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