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みんなで食卓を囲もう! -自分の住戸+L・D・Kを共有する「コレクティブハウス」という住まい方-
家族 家族 2018.06.27

みんなで食卓を囲もう! -自分の住戸+L・D・Kを共有する「コレクティブハウス」という住まい方-

東京は家賃が高い

最近、一人暮らしを千葉で始めましたが、東京の家賃の高さを改めて感じさせられます。

間取りは同じ1K、広さもほぼ同じアパートに住む東京の友人は、こちらの2倍の家賃を払っているそう。 食事は外食に頼れば楽ですが、出費増加→アルバイトのシフト増加という負の連鎖。

東京での生活は便利な半面、なかなか大変なようです。

コレクティブハウス①

しかし、その東京では、自分の住戸の部屋数・面積を少なくし、浮いたお金を持ち寄って共有のL・D・K(リビング・ダイニング・キッチン)を設け、一緒に調理・食事を楽しむ「コレクティブハウス」という住まい方を選ぶ人たちがいます。

今回は、このコレクティブハウスについて、集合住宅での新しい住まい方としてご紹介します。

コレクティブハウスの定義

コレクティブハウスとは、次の2つの要素を満たしている集合住宅のことを指します。

①居住者が調理・清掃などの管理運営に参加し、一緒に食事(共食=コモンミールといいます)をとっていること  

②住戸だけで生活できるような設備を有しつつ、共有のリビングやキッチンを設けている

コレクティブハウスの場合、住まい方で定義されるので、住戸の所有・賃貸というものは関係ありません。

コレクティブハウス②

コレクティブハウスの歴史

20世紀初頭にヨーロッパで、生活を合理的にするという発想から考案された住まい方がコレクティブハウスのルーツになっています。

当時、召使を共同で雇い、自らが支払う金額を抑えつつ、食事や洗濯などのサービスを受けるというものでした。

その後、スウェーデンを中心に発展し、サービスを提供する主体が居住者に変化し、共同調理・コモンミール、共同保育などの共生型住宅へと変化していきました。

日本では、2000年に入り、多世代での居住を目指した本格的なコレクティブハウスが実現しています。

日本で実現している例を中心に、具体的な住まい方についてみていきます。

居住者の運営参加とコモンミール

コレクティブハウスでは、居住者は一定の役割を果たす義務があります。

月数回の食事当番や清掃、自分の得意分野を活かした管理運営への協力(ITならブログ作成等)、居住者の話し合いの場への参加などです。

コモンミールは月10回ほど行われ、共有のダイニングでほかの居住者と食べる以外に、自分の住戸へ持ち帰ることもできます。

一人暮らしだと食が偏りがちですが、コモンミールでみんなと楽しく、おいしい食事をとれるのは非常に大きいですね。

もちろん、コモンミールがないときや、自分の好みのものを食べたい場合は、自分の住戸のキッチンで食事を作ることができます。

でも、せっかくならみんなでワイワイしながら、食事を取りたいですね。

コレクティブハウス③

プライベートな住戸と多彩な共有部

コレクティブハウスは共有という意味ではシェアハウスにも通じる部分はありますが、決定的に違うのは、住戸だけで生活ができるかということです。

シェアハウスの場合、風呂やキッチンが共用で、自分の部屋にはベッドと机だけというのが多いです。共用部がないと、生活が成り立ちません。

一方、コレクティブハウスの場合、LDKや風呂・洗濯機のスペースは自分の住戸に設けられており、共有部のLDKを使わずとも生活が可能です。

コレクティブハウスは、一般的なマンションの持つプライベートな住戸と、シェアハウスの持つシェアすることの良さを兼ね備えた、良いとこどりの住まいともいえるかもしれません。

しかも、コレクティブハウスは居住者が多いほど、各自が持ち寄ったお金が大きくなり、共有部をより豊かにすることができます。

自分の支払う額に比べて、より広く豊かな共有部を使うことができる・・・集まるということのメリットは大きいですね。

共用の遊び場でみんなで遊んだり、みんなで食事をとったり・・・年齢や立場にとらわれない一つの大きな家族のような住まい方です。

親と同じ年代に対しては自分の親のように接し、子供と同じ年代に対しては自分の子供のように接する。ここに住む人にとっては、こういったことは頭ではなく、実感として分かるのかもしれません。

コレクティブハウス④

コレクティブハウスの今後

コレクティブハウスについて紹介してきましたが、やはり良い部分だけというわけではありません。

役割が負担になったらどうするのか、話し合いだけですべて丸く収まるのか、賃貸であれば入れ替わりにどう対処するか・・等、クリアするべき点もあるでしょう。

ですが、自分一人だけ、あるいは自分の家族だけの生活から、一歩踏み出した住まい方として、考えてみるのもいいのではないでしょうか。

この記事を書いた人 住まいとコミュニティについて模索しつつ、まだまだ勉学に励む日々。もう少し柔らかい文章を書けるよう頑張ります。 胤の記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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