相手を幸せにして私も幸せに“Win-Win道”を極める
コンパルの講演会があった。講師は女子柔道メダリストで筑波大准教授の山口香さん。「意志あれば道あり~柔道から学んだこと~」と題する講演は、柔術から柔道になった経緯や、スポーツが人格形成にもたらす効果など、とても良い内容だった。聞きながら、人生を振り返らされ、思わず、新たな「道」に進みたくなった。
私は小学1年から高校3年まで剣道をやっていた。親に無理矢理やらされたというのもあり、モノにならず、大学受験と同時に辞めた。
山口さんはほぼ同年代。方や、ウン十万円の講師料をもらう“勝ち組”の指導者、方や、うだつの上がらない“負け組”の中年男。講演を聞きながら、自分が惨めに思えて落ち込んだ。
ただ、講演の中で、スポーツの目的は金メダルではなく精神修養にある、といった話があり、それが突き刺さった。この精神性の弱さを克服できれば、人生の道を極められるのではないか、と気付かされたのだ。
たとえ試合で負け、試験や仕事へのチャレンジで挫折し、冴えない人生を送ったとしても、それらはみな精神修養の糧。ひょっとしたら、私は人間としてかなり成長させてもらっているのかもしれない。
今から再び竹刀や防具を買い揃えて剣道をやろうか、はたまた、柔道を習い始めようか。そんな考えも沸いたが、振り払った。別に挑むべき「道」がある、と思ったからだ。
今やっているジョギングを継続し、我慢を身に付ける。ジョギングで得られないものは、常日頃の心掛けで習得する。新たな「道」によって。
その「道」は、次の課題を克服させてくれるものでなければならない。
・自分のことばかり意識して、相手のことを考えられない精神性。
・自分で自分を貶(おとし)めて、他人を妬(ねた)んでしまう癖。
・相手と自分を比較し、その違いにフォーカスしようとする意識。
こうした内面の課題を克服し、人として歳相応の成長を果たしたい。
ふと思い付いた新たな道。それは名付けて「Win-Win道」。相手を幸せにして、私も幸せになる、というのがその極意だ。
具体的に目指すものは、
・自分の殻に籠(こも)らず、お互いにパスを出し合いながら、みんなで幸せを勝ち取ること。
・自分が“勝ち組”になりたいという心根を断つこと。
・常に相手の幸福度アップを意識できるようになること。
Win-Win道の“道場”はどこにでもある。特に、地域コミュニティの道場は上達が早い。なぜなら、隣の芝生は綺麗に見えやすく、修練する環境が整っているからだ。
社会にも政治にも欠けているのは、このWin-Winの精神だ。 Win-Win 道を極められれば、個人はもとより、家庭や地域、そして社会はより良いものになるだろう。
さあ、稽古を始めるぞ。