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失業率39.1%でも幸せそう!?違いから気付かされる「人間にとって本当に大切なこと」
コミュニケーション コミュニケーション 2018.04.30

失業率39.1%でも幸せそう!?違いから気付かされる「人間にとって本当に大切なこと」

ケニアは雨季に入りました。普段は全然降らない雨が毎日のように降ります。晴れ渡る空を見れないと、気分も鬱屈してくるというのは日本人だけでなく、全ての人類共通だと思ってきました。ただケニアでは雨をあんまりネガティブに考えない人もいるようです。

雨の日に外でランニングしたりして、むしろスッキリするんだそうな。世界は広いというか、そんな考え方もあるのか、と驚いてしまいます。今回は「日本の常識、世界の非常識」と言いますが、そんな文化の違いや差異を少し考察してみようと思います。

日本とケニアの青年

ケニアでは人口の20.3%が15歳から24歳の青年が占めています。日本の同年齢の人口比10.1%と比較すると違いが顕著ですね。現地の青年たちと交流しながら、必ずでてくるのが職探しの話。実はケニアは東アフリカ最高という失業率39.1%を記録。5人に2人は仕事がない計算です。

先日、あるローカルの友人は、これまで大学教授のもとで非正規職員として仕事をしていたものの、今年の3月から2ヶ月近く続いた大学のストライキのために職を失ってしまったといいます。若者の晩婚化、未婚化から少子化、そして人口減少のしわ寄せがチラつき始める日本ですが、単に子供の数が多いからといって国が安定しているというわけではないということでしょうか。

時給?いやいや日給!?

ケニアでは失業者も多いんですが、そもそも仕事をもらったとしても、日本と同じように生活していくのは簡単ではありません。初めて聞いた時は耳を疑いましたが、現地の青年たちが見つけてくるアルバイトは大体日給500〜550Ksh(ケニアシリング)で、日本円にするとおよそ500円ちょっとぐらい。

もちろん物価の違いもありますから、単純に比較はできないんですが、日本ではワンコインで一食!なんて看板も見かけますから、日本人の一食はケニア人の青年が汗水流して働いた1日分なのか…と少し考えてしまいます。

お金がなくても育てられる絆

こんな話をしていると、随分とケニアは劣った国、母国日本は栄華を極めた…みたいな話に聞こえるかもしれません。でも、現地に住んでみると、実は経済的に貧しいということと、幸せに生きるということはあまり相関性がないのかもと思う時があります。

日本では家族との時間を削って残業し、学生たちも部活や塾に勤しみ、せっかくの余暇を職場、学校の友人と飲み会で使ってしまうなんてことが日常茶飯事の日本ですが、ケニアに来て家族で食事をすることの大切さを学びました。

振り返って見ると、自分の家族は家族みんなで食事をする機会を10年近く失ってしまったようです。ケニアでは食事の時間を共にし、親子、兄弟、姉妹で他愛のない会話であったとしても、しっかりと向きあって同じ釜のウガリ(ケニアの主食。トウモロコシの粉をお湯で溶いた餅のようなもの。手で食べる。)を分けて食べます。

何を食べるか、どんなご馳走が出てくるかは二の次なんですね。だれと食べるか、そしてその時間をどれくらい頻繁にもつのか…というのは自分が家族との関係を振り返る一つの指標になるのかも。

ケニアの助けになろうとはるばるやって来ましたが、むしろ自分がケニアの人から学ぶことが多いようです。むしろ、これがケニアの人々に一助となっていれば…。もし、助けになっていないならば、これからなっていかねばと、「しとしと」降る雨の中思うのでした。

この記事を書いた人 山本眞之亮 人の成長に興味を持ち、教員免許を取得するも、目下ケニアでサバイバル体験中。最近、人びとが織りなす調和と変化の妙味に、宇宙の神秘を感じてます。
ブログ :成らぬは人の為なさぬなりけり
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