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日本コリア未来プロジェクトが考える真の日韓関係とは
コミュニケーション コミュニケーション 2018.07.25

日本コリア未来プロジェクトが考える真の日韓関係とは

今回は代表の藤本さん、広報の廣田さんに、団体での活動を通して得たこと、そして日本と朝鮮半島の未来に対して熱く語っていただきました。 日本コリア未来プロジェクト:日本人とコリアン(南北、在日コリアン)の交流と相互理解を、様々なボランティア活動を通じて行う。東アジアの将来の平和と共存を視野に入れて活動している。

日本コリア未来プロジェクト

日本コリア未来プロジェクト① (左が廣田さん、右が代表の藤本さん)

-日本人とコリアンの相互理解のために、どのような活動を行っているのですか?

(藤本さん)交流が主な活動ですが、それだけでなく活動の中にはコリアスタディーズ会という朝鮮半島に関する勉強会を週に一回行っています。他に朝鮮大学の生徒との交流や討論会をしたり、38度線平和活動として韓国と北朝鮮の境界の線近くの村で、延世大学の学生と奉仕活動を行ったりしています。

また、誠信通信使といって、広島を訪れ日本で被爆された韓国人から話を伺ったり、追悼式に参加したりもします。ハングル講座も毎週行っていて、韓国人が学生に韓国語を教えてくれます。

日本コリア未来プロジェクト② (ボランティアフェアに向け会議中)

-38度線近くで平和活動を行うとのことですが、具体的にどのような活動を行うのですか?

廣田さん)境界線近くの、普段はなかなか立ち入ることのできない民間人統制区域にある農村で手伝いをしたり、日韓の学生で文化交流をしたりすることが主な活動です。また、韓国の対人地雷の被害者の問題について考えるということがこのツアーの大きなテーマで、朝鮮戦争の時に埋められた地雷によって未だに被害が出ているので、それについて学び、平和とは何だろうということを考えます。

延世大学で地雷問題について研究している先生から講義を受け、そして実際に地雷によって被害を受けた方から体験談を聴き、現状を理解するということが大きな目的です。

日本コリア未来プロジェクト③ (昨年の38度線平和活動での農村手伝い)

-現地での活動、またサークルでの全ての活動を通して考えさせられたことは何ですか?

(廣田さん) 歴史認識問題を韓国の学生と討論する機会があって、例えば竹島はどっちのものかというような、本音でぶつかり合うようなトークもしました。その中で気づいたことは、韓国では歴史教育をかなりしっかり受けているので、韓国人からしたら竹島は韓国の領土としか考えられないという見方をしていて、日本人はそこまで強い主張はないけれど、日本のものと考えていて、話が終わらないんですよね。こういう問題はどういう風に解決できるのか、ということを考えさせられました。

(藤本さん) 高校時代まではインターネットから情報を収集していました。サークルに入り実際に交流することを通して、歴史問題に対して勉強するだけではなくて、未来のあり方について考える必要があると思いました。

議論を続けて行く中で、歴史に対して議論しても永遠に終わりが見えず、それよりもお互いがプラスになることを見つけて一緒に歩んでいくことが日韓関係改善に必要だと感じました。また、皆さんが思っているより、韓国には日本を好きと言ってくれる人が多いということを知ってもらいたいです!

―そもそもボランティア、特に朝鮮半島という地域に関わろうと思ったきっかけは何ですか?

(藤本さん)よくあるケースだと思いますが、最初はkポップでした。動画等を見ているうちに、韓国は悪い国だと印象づけるような関連動画がたくさん出てきて、そこで初めて日本と韓国の間に昔あった歴史問題を知って、両国は切っても切れない関係だと思って関心を持ちました。

韓国が本当に好きなので、そういう問題を全部解決したいという思いが強くて、そのために文化や社会、価値観を知るべきだと思い調べ始めたのですが、メディアで調べようとすると何が正しいのかわからなくなり、実際に交流しないと!と思い、このサークルと出会いました。

日本コリア未来プロジェクト④ (誠信通信使として広島訪問)

-日韓の問題に対して、私たちができることは何でしょうか?

廣田さん) どう日本で発信していくかが大事かなと思いますね。私たちの世代より、親世代の方が韓国に対する意識、偏見や差別意識を持っている人もいると思います。だから、日本が韓国に何かをした、された、というまっすぐな問題よりも、少し遠回りをしたところにある地雷被害のような問題に対して現状を知ってもらうことが大切です。

実際に行っている広報活動としては、SNSを使って主に活動を発信しています。38度線平和活動に関しては、ツアーの活動が韓国のウェブでニュースになったり、誠信通信使の活動の時は新聞社が取材に入って、日本の新聞で取り上げられました。

-活動を行う上で軸にしている信念はありますか?

(廣田さん)自分にとっての常識は相手にとっては常識とは限らない、ということは韓国人に対してだけでなく日本人であっても育った環境が違えば生じることなので、相手を理解する姿勢を軸にして、ボランティアや交流に取り組んでいます。

(藤本さん)相手の違う文化を扱いにくいなと思うよりも、私はむしろその異文化を楽しもうと思っています。また、日本人がどうしたら韓国に対して良い印象を持てるようになるか、ということを考えていて、例えば日本と韓国がコラボした商品がヒットすれば、どちらも嫌な気持ちにはならないというように、経済面などの新しい協力の仕方を考えています。

-これからの団体のVISIONがあれば教えてください

(廣田さん)今年11年目になるのですが、この活動に終わりは無くて、終わらせてしまったら学生同士の関係も終わってしまうので、今後も活動をずっと続けていくことがビジョンになっています。この11年の間に多くのメンバーが卒業しましたが、卒業して社会に出ても韓国に関連する職についていたり、韓国を意識して生活している卒業生もいるので、今後もコツコツと活動を続けていくことがまず大事じゃないかと思います。

-ご自身の将来像があれば教えてください

(廣田さん)韓国に興味を持つまでは英語を使って仕事をしたいな、と思っていたのですが、今は韓国語も勉強し始めたので、これまでよりも視野が広がって例えば外資の韓国系の航空会社なども視野に入れることができるようになりました。

(藤本さん)最初に韓国語を本気で勉強しようと思ったのは、脱北者について知ったからで、以前までずっとその支援をしたいと思っていたのですが、実際危険なこともあるので考え方を変えて、今は日本の企業に入って、韓国の企業と共同事業を行う現場に立ちたいな、と思っています。お互いの経営の長所や技術力は合わせたほうがお互いにとって良いと思うので、そのために今は商学部でマーケティングなどきちんと勉強しようと思っています!

寄稿元:worlli

この記事を書いた人 tomomi kido 早稲田大学、文化構想学部複合文化論系在学中。現在、文化人類学、開発援助について学んでいる。 tomomi kidoの記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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