「逃げるは恥だが役に立つ」W杯ポーランド戦に考える組織運営の足並み
ワールドカップの日本対ベルギー戦。見ごたえがあったなぁ~。日本が2-0でリードした時は、さすがに鳥肌が立った。結果的には負けてしまったが、強豪ベルギーを相手にあそこまで善戦するとは、正直びっくりした。
リードした時には西野監督は「パス回し」作戦に出るかな、とも予想したが、最後までオフェンシブなサッカーで、3時に起きて応援した甲斐があった。西野ジャパンに心から賛辞を贈りたい。
いまさらだが、予選リーグのポーランド戦で、後半ラスト10分間、自陣でパス回しを続けたあの作戦について考えてみたい。
あんなサッカーやっていいの?
私は当初、いくら勝つためとはいえ、あんな高校生でもできるようなパス回しをワールドカップの大舞台でやるなんて、恥ずかしく思えてならなかった。
ただ時間を潰(つぶ)すだけのパス回し。観戦者としては、実につまらない、スポーツマンシップにのっとらない、アンフェア―なプレーだった。決勝リーグ進出はすごいけど、あんな卑怯なサッカーやっていいの?って、素直に喜べなかった。
でも、その後、解説者やファンの声を聞いているうちに、あれが“逃げるは恥だが役に立つ”戦い方だったんだと知った。ああするしかなかったのかな、と思えるようになった。
あの試合では、日本が点を取りに相手陣営に攻め入ると、ペナルティエリア前でことごとくボールを奪われ、逆にカウンター攻撃を受け、ピンチになる展開だった。
あの時、同点ゴールにこだわって、特攻隊のような、がむしゃらなサッカーをやっていたら、予選敗退の可能性が高かった。恥を忍んで、とにかくボールを持って逃げ続けるしかなかったのだ。
たとえ消極的で逃げ腰だと言われても
批判覚悟でパス回しをやらせた西野監督も、また実際にパス回しを続けた選手たちも、良くやったと思う。意思統一がなされて、酸いも甘いも共有できたチームだからこそ、あそこまで行けたのだ。
改めて、日本人の組織プレーのポテンシャルの高さを痛感した。平均身長で5センチも6センチも負けている。日本には日本の戦い方があるのだ。ハリルホジッチ前監督だったら、できなかったサッカーなのかもしれない。
運動体の組織運営は意思統一が肝心だ。
うちの町会について言えば、今は町会員の意思を探り、その統一を図っているところ。町会行事をやるのか、やらないのか。協力するのか、しないのか。一つ一つ町会員各位に伺っている。たとえ消極的で逃げ腰な町会運営だと批判されても、前を向きたい。
意思統一が図れれば、必ずや、立ちはだかる壁を打ち破れる地域コミュニティになれるはずだ。