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「赤ちゃん泣いていいよ」ステッカーに見る寛容な社会
家族 家族 2018.01.02

「赤ちゃん泣いていいよ」ステッカーに見る寛容な社会

みなさんは、「赤ちゃん泣いていいよ」ステッカーを知っていますか?
このステッカーは、女性向けの情報サイト「ウーマンエキサイト」が2016年に始めた「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」で作られたもので、赤ちゃん連れの親子に対して「泣き声は気にならないよ」という意思表示をすることを目的としたものです。
今までは、まだお腹の目立たない妊婦さんが「妊娠中」であることを周囲へ伝えるマタニティマークはありましたが、今度は周囲が赤ちゃん連れの親へ対して、自分の意思を示せるものができたという点で画期的な試みです。

「泣いても大丈夫」と伝えること

筆者も過去何度も外出する際に、ぐずる我が子に苦戦した経験があります。まず電車内や飲食店などの外出先で泣かれると一番困るのが、子どもへの対応そのものよりも「周囲への配慮」です。
なかには、子どもの泣き声に敏感な人、子どもは嫌いじゃないけど騒々しいのは勘弁という人など色々な人がいる中で、迅速に対応しなければ取り返しのつかないレベルのギャン泣きになることもあります。
泣かれることでママも精神的に焦り、持参してきたおもちゃや絵本がすぐに出せず余計にぐずられると、その瞬間はとても絶望的に孤独になるもの。
そんな時、ふと周りの誰かが、例えばスマホやバッグなどにこの「赤ちゃん泣いていいよ」ステッカーを貼っているのをママが目にしたら……焦る孤独なママにとって、どんなに心強いことでしょうか。

理想はステッカーを貼らなくてもいい社会

子育ては、決して楽しくハッピーなことばかりではなく、大変なことも多いものですが、母親と一緒の時間の多い乳幼児の時期はあっという間で、嵐のように感じた乳幼児の育児期間も、通り過ぎてみればとても貴重な時間であり、大切な思い出です。
子育て中の当事者という立場だからこそということもありますが、願わくば赤ちゃん連れ親子が窮屈に感じない大らかな社会であって欲しいし、赤ちゃんには周囲の大人たちの笑顔をたくさん向けてあげたいものです。
これは、決して公共マナー軽視や乳幼児親子を何でも優先せよ、という意味ではなく、日本の将来を担う子どもたちへの、よりよい環境を作ってあげたいと思いであり、こうした活動が広がり、やがて「ステッカーが必要ではない」本当に寛容な社会へとつながっていくのではないかと思うのです。

この記事を書いた人 おおつかけいこ 教師歴10年の経験をもつ教育者。ライティングの「ものかき」でマネージャーを務めるほか幼児教室も主宰 おおつかけいこの記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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