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ネグレクト
家族 家族 2017.10.04

ネグレクト

児童虐待件数は、未だとどまることなく増加している日本。
虐待の内容は4つに分けられ、「心理的虐待」「身体的虐待」「ネグレクト」「性的虐待」の順に多くを占めています。
その内「ネグレクト」というものが、どういった内容なのかをご存知でしょうか。

ネグレクトは、英語の「neglect」を語源としており、意味は「無視する・軽視する・見過ごす」。簡単に言うと「育児放棄」です。

厚生労働省の定義によると、ネグレクトとは「家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない」ということ。
虐待の中で、最も「子どもへの関心の低さ」が現れる、解決が難しいものだと感じます。

例えば、心理的・身体的虐待が虐待件数の多くを占めるのですが、決してあってはならないことではあるものの、虐待に走ってしまった親御さんにも、苦しい気持ちがどこかにあるのだと思います。
「本当はこんなことしたくないのに気持ちが追いつかない……」
時代の流れで人間関係の過疎化が進み、子育てに向き合うことがうまくできない人が、ひとりで育児を抱え込む結果と言うこともできるのです。つまり、行き過ぎてしまう前に、親自身が誰かに相談する勇気を持てたり、違うところでうまく発散できたり、近くの人が気付けたりすれば、解決に向けられる可能性が高いとも考えられます。

それに比べると「ネグレクト」は、こんなことしたくはなかった……の域を大きく超えています。多くは子どもの気持ちに寄り添うことのできない親の行動の元に成り立ってしまう、改善の難しい虐待なのではないかと感じるのです。

ではなぜ、ネグレクトをする親=子どもの気持ちが分からない親がいるのでしょうか。

これは、ネグレクトになってしまう親自身も、同じような環境で育ってきた確率が高いからなのです。自分も同じような経験があるからこそ、ネグレクトが当たり前だったり、子どもに対して何をすべきかを理解していなかったり、どう接したら良いかが分からなかったりする可能性があります。

しかしながらこういった連鎖は、「仕方がない」で済ませて終わって良いものではありません。特にネグレクトのように、子どもが表に出てこない可能性がある場合は発見も遅れがち。早く気付くそのためにも、やはり、家族の目、近所の目が必要となってきます。

小さな命を守るためにも、「もしかしたら?」を疑ったら、児童相談所や警察に連絡をする勇気を持つべきなのだと感じました。もし間違っていても、それは罪には問われません。
他人のことは他人事にしてしまいがちな今の世の中だからこそ、気付いたら、気付いた人から行動できるような世の中になっていくことを、願ってやみません。

※参考

厚生労働省「児童虐待の定義と現状」
この記事を書いた人 まゆ先生 専門家としてTV出演実績もある保育士ライター@株式会社子育て研究所 まゆ先生の記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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