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アセット 5 寄稿記事:地域コミュニティに明日はあるか 呼べど叫べど集まらない!「自己決定」で地域コミュニティの衰退は防げるか
コミュニティ コミュニティ 2018.03.20

呼べど叫べど集まらない!「自己決定」で地域コミュニティの衰退は防げるか

いよいよ町会運営がヤバくなってきた。先日行った今年度最後の役員会。出席者はわずか5人。定期総会を控え、新年度の事業計画をまとめる時期なのだが、副町会長2人を含め役員6人が退任することとなった。果たして、平成30年度に例年並みの町会事業を行うことができるだろうか。考えただけでも、気が遠くなる。

厳しい状況は、今に始まったことではない。私が総務部長をやっていた5年前から、すでに町会は傾いていた。その後、過去の反省から「役員を押し付けない」「自発的に協力してもらうようにする」という方針に変え、限られた役員でどうにかこうにかやってきた。

でも、役員会に来る人、町会行事に協力する人がいないという傾向は変わらず、残されたわずかばかりの役員にそのシワ寄せが集中。役員の負担感は倍増した。

毎月、役員会案内を70数人の役員宅に戸別配布してきた。でも、呼べど叫べど集まらない。役員会で話し合おうにも、何も決められない。何かやるにしても、集まったわずかな役員にすべての負担がのしかかる。こんな状況が3年前から続いていた。班長アンケート(匿名)をお願いしても、半分しか回答がない。しかもその大半が「時間がないから協力できない」。

例年だと、主に運動会(5月)、プール開き(7月)、納涼祭(7月)、市民体育祭(10月)、芋煮会(12月)、新年会(1月)といった行事をやる。

これをまた、やるのかと考えただけで、頭に血が上ってくる。マジで、脳の血管が破裂するのではないかと心配している(この思いは誰も分かってくれないだろう)。実際、事業計画に書き加えたとしても、どれ一つとしてやれる気がしない。

地域コミュニティを衰退させてはならない。そのため、行事を継続し、会員たちの交流を図る。誰かが推進者(旗振り役)として牽引しなければならない―。このことは頭では分かっている。でも、もはや限界。旗を振っても反応がない。行事に来るのは子供ばかりで、親は来ない。来たとしても協力する側には回ってくれない。

私の中には一つの方策しか見えてこない。

まず、従来のやり方(町会長と残された役員で負担を背負う)を放棄する。

町会員全員の意思を確認し、その意思をベースに町会行事の是非を決める。言い換えれば、全町会員の「自己決定」に従って町会運営を行うのだ。

具体的には「Q1.運動会をやったほうがいいと思いますか?」(YES・NO)、「Q2.運動会をやるとしたら、あなたは協力しますか?」(YES・NO)という確認表(仮称)を全世帯に配布。Q1で過半数がNOだったら、運動会はやらない。過半数がYESだとしたら、Q2の「YES」(協力志願者)数で決める。志願者が必要人員(10人)に達していれば実施し、そうでない場合はやらないこととする。

やるのも、やらないのも自己決定。町会運営を役員に押し付けないで、みんなでやるのだ。

志願者が必要数いるのに行事をやらないというのなら問題だが、やらないという声が多いのに、無理にそれをやるのも間違っている。役員たちを疲労困憊させ、町会を嫌いにさせることになるのだから、やるべきではない。

市民体育祭では10町会がそれぞれテントを出す。もしかしたら、うちの町会のテントだけが出ないという事態になるかもしれない。

でも、それはそれで仕方がない。それも自己決定、町会員の総意なのだから。

「今の役員は何をやっているんだ!」「町会長は町会を潰す気か!」と責める人も出てくるだろう。

一切合切の批判は、長である私が甘んじて受けるしかない。すべて私の不徳の致すところなのだから。

地域コミュニティに明日はあるか
この記事を書いた人 吉原正夫 地域コミュニティが崩壊している。この流れを食い止めるには、どうしたらいいか。地域コミュニティ再生に掛けた現役町会役員の挑戦を綴る。
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