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アセット 5 寄稿記事:地域コミュニティに明日はあるか みんなが生きがいをもてれば「そのお裾分けだけ」でコミュニティの活力はアップするはず!
コミュニティ コミュニティ 2018.04.26

みんなが生きがいをもてれば「そのお裾分けだけ」でコミュニティの活力はアップするはず!

ゴールデンウィークに家族で日帰り旅行に出掛けたい。ところが、家族のスケジュールが合わない。ああ、残念。でも、これもまた嬉しい。というのは、時間が合わないということは、家族がそれぞれ、生きがい・やりがいを持って生きている、という証拠だから。

家族が一堂に介しているからといって、イコール幸福というわけではない。

我が家では私(まがりなりにも大黒柱)と、もう一人の働き手が失業するという、苦しい時期があった。ハローワークに行く以外、一日の大半を家で過ごす。毎日、家族が揃うのだが、気持ちは陽の差さないトンネルの中。湿っぽくカリカリしてフラストレーションが溜まる。

帰りが遅く、晩御飯がバラバラだった頃のほうがまだ良かった。生きがい・やりがいを失ったら、人間お終いだ。

日曜日に町会の定期総会を行った。総会資料も懇親会用の料理もばっちり揃えて、当日を迎えた。なんと、参加者はわずか15人(過去最低)だった。来賓として市長が来てくれたのだが、空席だらけの、何ともお恥ずかしい、お粗末な総会となった。

でも、こんな状態になったことに、私はあまり落ち込んではいない。参加者が少ないことは想定していた。

それより何より、参加した人も参加しなかった人も、それぞれ、いい一日になったのではないかと思えるのだ。

総会の日は夏を思わせるほどのポカポカ陽気。スポーツやレジャー、習い事、農業、ガーデニング、衣替え、家族の介護…、何をするにも最適な日和だった。日曜日が唯一の休みの人、夜勤明けという人もいるだろう。こんなことを町会長が言ってはいけないのかもしれないが、無理してまで総会に出席することはないと思うのだ。

総会については回覧や掲示板、新旧役員会の場で告知した。総会がどんなもので、自分が出席(欠席)することにどんな意味合いがあるのか、大人なら分かる。多くの町会員は、大人の判断で欠席したわけだ。とやかく言う筋合いのものではない。

総会後の懇親会はアットホームで実になごやかなものとなった。お寿司を頬張り、女性部が作ってくれたアサリの味噌汁を堪能しながら歓談した。参加者が少ないという塩っぱさも、お椀から立ち上る磯の香りも共有できた。町会員はやはり家族だなぁ。

人は生きがいのため、自己実現(マズローの五段階欲求説の最高位)のために生きている。それを妨げてはいけない。「○○部長だから」「班長なのだから」と縛って、町会行事を押し付けるのは避けるべきだ。

町会員を集めることも確かに大事。でも、それ以上に意識すべきは、町会員が生きがいを持って生きることではないだろうか。

集まりが悪く、傍目にはスカスカの町会に見えるかもしれない。でも、各自が生きがいに燃えているなら、問題ない。むしろ、そのほうが、コミュニティ全体の活力がアップする。

町会は町会員の生きがいパワーのおこぼれを分けてもらえばいいのだ。

この記事を書いた人 吉原正夫 地域コミュニティが崩壊している。この流れを食い止めるには、どうしたらいいか。地域コミュニティ再生に掛けた現役町会役員の挑戦を綴る。
地域コミュニティに明日はあるか
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