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町会で安全祈願を
コミュニティ コミュニティ 2018.01.15

町会で安全祈願を

新年会の参加者が45人くらいになりそうだ。ここ数年は例年25人ほどだったので、ぶっちゃけ驚いている。なぜ多くなったのかは分からない。とにかく、新年早々、ありがたや、ありがたや。人も予算も限りがあるが「参加して良かった」という新年会にしたい。さて、何をすればいいかな。

私は建設関係の仕事をしている。先日、関係業者が集まって安全祈願を行った。神社の殿内でお祓いをしてもらうケースもあるが、今回は公的施設に祭壇を設け、神官を招いて祝詞(のりと)を奉上してもらった。神官に次いで、代表役員が玉串を供え、その後、みんなで二礼二拍手一礼した。

毎年の恒例行事だが、ぶっちゃけ祈願をしたからと言って、安全が保証されるわけではない。実際、有名なM神宮でお祓いをしてもらったのに、重篤な労災事故が起きた、ということも。でも、安全祈願はやめられない。なぜなら、作業員の無事を祈らないわけにはいかないからだ。

刑事ドラマで目にする、警察署内の神棚。あれは政教分離の原則からするとグレーだが、決して撤去されることはないだろう。日常的に警察官の安全、社会の安寧を祈らざるを得ないからだ。

榊(さかき)や紙垂(しで)に神様が宿るのか、頭(こうべ)を垂れることに神が応えるのか、低頭しながら、そんなことばかり考えていた。ただ、一つ気付いたことがある。この儀式はみんなの願いを束ねてくれているんだなぁ、と。てんでに祈るのではなく、ともに祈る貴重な機会なのだな、と。

町会でも、公園のプール開きの時に、四隅に塩とお酒を置き、参加者で安全祈願をする。神官のいない素人の儀式だが、文句を言う人は誰もいない。

今年も町内で事件、事故、火事、水害、近所トラブルがないこと、無病息災を祈る。これは町会員みんなの願いだ。儀式に拘(こだわ)ることはないが、本来なら新年会でそういう場を設けるのがいいのかもしれない。

今回は無理だが、来年の新年会に取り入れてみたい。この地域に住む者たちが一堂に会してこの地域の安寧を祈る。これぞ地域コミュニティの魂ではないか。わが町会に欠けていたのは、これなのかもしれない。報いがあるかどうかはさておき、町会活動の一環として祈る機会があってもいいと思うのだ。

この記事を書いた人 吉原正夫 地域コミュニティが崩壊している。この流れを食い止めるには、どうしたらいいか。地域コミュニティ再生に掛けた現役町会役員の挑戦を綴る。
地域コミュニティに明日はあるか
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