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ちょっと意外? でもさすがに深い!『剣の達人に極意を聞いた時の話』
コミュニケーション コミュニケーション 2018.06.05

ちょっと意外? でもさすがに深い!『剣の達人に極意を聞いた時の話』

とある剣の達人に、居合術の極意を聞いたことがある。達人の答えは「誰よりも早く剣を抜き、誰よりも早く剣を納める」だった。

早く抜く理由は分かる。だが、なぜ誰よりも早く納める必要があるのか。達人に尋ねると「誰よりも早く剣を納めることで、その場を平和にできるから」という答えだった。

つまり、明らかに自分よりも格上の人間が、素早く武器を納めてしまうことで、相手が敬服し降参する。誰よりも早く抜くことも大事だが、決着が付けばすぐに刀を納めることで、結果的に恨みが残らず相手に自分が斬られないことにもつながるのだ―という旨の説明をしてくれた。

剣の達人①

歴史を振り返ってみれば、この概念は重い意味を持つ。戦争を始めるのは簡単だが、戦争を終わらせるのはとても難しい。露骨な例を挙げれば、昭和期の太平洋戦争やアメリカのイラク戦争といったところか。決着の付け方がまずいと残酷な結末が待っている。

戦いとは力と力の衝突だけではない。結局は心と心の衝突なのだ。だからこそ、「誰よりも早く抜き、誰よりも早く納める」ことが極意になり得る。

剣の達人②

欧米における「武士道」

欧米人は主張しやすい。アメリカで仕事をしていた人の話では、主張を通すために他を押しのけることが通常になっているそうだ。

そんな欧米人だが、日本の武士道にはとても心惹かれるという。その昔、新渡戸稲造が著した『武士道』は当時の米大統領などトップクラスの人間を巻き込み、大ベストセラーとなった。

映画「スター・ウォーズ」がサムライをモチーフにしているというのも有名な話だが、武士道の中に流れる「極意」を知らず知らずのうちに彼らが求めているからではないのか。

剣の達人③

世界中の人々が「誰よりも早く剣を抜き、誰よりも早く剣を納める」という概念を知るだけでも世の中が大きく変わるだろう。

この記事を書いた人 青井坂道 歴史・文学・自然・思想の好きなライター。ただいま、自己研鑽に励む日々を送ってます。 青井坂道の記事をもっと読む>> 最新記事を毎日お届け
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