自己改善ができるチームを作るためのKPT(ケプト)
チームというのは常に問題を抱えています。むしろ色々な考えを持った複数の人間が集まる以上問題のないチームは無いと言ってもいいかもしれません。
そんなチームが抱える問題を継続的に改善し、よくしていく手法がKPTです。
KPT自体はアジェイルというシステム開発の手法の中にある、「振り返り」で使われる手法です。継続的に「ふりかえり」を行うことによってチームを常に改善していくというわけです。
KPTは「Keep」「Problem」「Try」の頭文字を取った言葉です。それぞれの意味は。
Keep: 継続すべきこと
Problem: 現在の課題。課題だと思うこと。
Try: 課題に対して具体的に何を取り組むか
となります。
この3つの議題を定期的にチームメンバーで話し合うのがKPTです。基本的には2週間に1回など会議室に集まって、KとPとTに別れたボードに付箋を貼りつけながら行います。
また、KPTを行う上での簡単なルールもあります。
・否定しない
・個人を責めない
・できるだけ均等にメンバーが発言できるようにする
チームの現状や意見を正しく把握するために、上記のルールは非常に重要です。否定や個人を責めることは問題解決に対して何の意味もありません。重要なのは誰が問題を起こした!ではなく、なぜ起きたのか?です。その「なぜ?」を突き止めて改善することがKPTの目的です。
できるだけ均等に発言することも、より多くの視点から知見を得られるという意味と、発言しやすい雰囲気を作るという意味で重要です。 それぞれの議題を話し合う前に、一人一人が考えれる限り付箋を記載します。付箋を書き終わったら一人づつ内容を発表しながら付箋をボードに貼っていきます。付箋に書いて発表しながら貼るというサイクルによってチームメンバー全員が意見を発表できます。
3つの議題それぞれについてもう少し詳しく説明します。
Keep: 継続すべきこと
文字通り継続すべきだと思ったことを話し合います。「継続すべき=すでにできていること」となりやすいのですが、それだけではなく、「誰かがやっていて良かったので全員が今後やるようにすべき」という意見が出てくると良いです。また、現在できているからと油断しているといつのまにか出来なくなっていたりするので、ちゃんとチームのサイクルに取り入れるなどの話し合いも必要です。
Problem: 現在の課題。課題だと思うこと。
課題だと思っていることを何でも良いので話し合います。気をつけなければならないのは個人攻撃にならないように注意することです。あくまでもなぜ問題が起こってしまったか?に焦点が当たるように課題をあげる必要があります。そして、小さいことでも気づきがあれば課題にし、それを否定せずにちゃんと話し合うことが必要です。
Try: 課題に対して具体的に何を取り組むか
Problemで上がった課題に対する具体的な取り組みを話し合います。これがKPTの肝といっても良いでしょう。大切なのはできるだけ具体的な取り組みを考えることです。あとでちゃんと成果を発表できるような取り組みが良いでしょう。ここを曖昧にしてしまうと、KPTの意味が薄れ形骸化してしまうので注意してください。
まとめ
以上 KPTの手法について説明していきました。KPTは非常に強力な手法です。うまくサイクルを継続していければ自己改善できる強いチームが出来上がるはずです。
KPTの手法を活用して自己改善できるチームを目指してみてはいかがでしょうか。