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二人は愚かでいるほうがいい

「祝婚歌」で知られる詩人、吉野弘が亡くなってから数年が経つ。最近は、結婚式のスピーチに引用される事もあまりないのかもしれない。祝婚歌は彼が姪の結婚に際して書いたそうだが、夫婦が睦まじくいるための心がけという事に限らず、人が人生のなかで、一段成熟していくことを祝する詩のようにも感じられる。

「正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい」

せわしないビジネスや産業社会に身を置きながら、誰かに庇護されることも少なくなっていく一人の大人が、プライベートな人間関係を大切に守り築いていく側の役割を担うバトンを渡される潮目を迎える。そんな時期にこそしっかり胸に刻むべき心がけだと個人的には考えている。

「生きていることのなつかしさに ふと胸が熱くなる そんな日があってもいい」

いつかを振り返ってみて、足りない自分の成長に点々とでも寄り添って歩んできてくれた人の事を思うとき、熱いものが胸に寄せる。別段、立派になった事で幼かった日々を懐かしく感じられるわけではないと思う。きっと今でも同じ愚かさは消えずにあるけれども、それをお互いに少しずつ引き取って運んできたことに気づいたときに、ずいぶん前にすっかり無くしたと思っていたら案外近くに、ほとんどそのままの形であったんだなと、それ愛しく見つめられる日の事なんだと思う。

この記事を書いた人 関口オーギョウチ 埼玉在住。サブカルやマイノリティがつくるコミュニティに関心あり。矯めつ眇めつそこに宿る魂に触れたいなと思ってます。 関口オーギョウチの記事をもっと読む>>