親孝行は連鎖する
高齢化社会が進み、老老介護や、未婚同居など、家族内で解決困難な問題が深刻化しています。時代の流れと共に、子が親の面倒を見るのは古い考え方だという認識が広まっている現代。では歳をとった時、あなたはどうしますか?
介護して欲しいとまでは言わずとも、我が子に大切にしてもらいたい……と考えたことはありませんか? 男の子を持つ親であればお嫁さんが、女の子を持つ親であれば娘さんが、孫を連れて頻繁に会いに来てくれるだろうか?かわいがりたいと思っている孫に、嫌われないだろうか?
若いうちは、そんなことは考えていなかったり、検討もつかなかったりするのが普通だと思います。 しかし、世代間を超えたこうした関わりは、実は子どもが小さいうちに見ている親の行動で変わり、連鎖していくのだそうです。 つまり、自分たちの親(両親、義両親)を大事にできない夫婦の子は、当然親を大事にできない子に育つということ。
「親孝行なんて面倒くさい」 「両親、義両親はまだ元気だし、誕生日くらいに何か送っておけば十分でしょ」こんなスタンスで過ごしていると、いつか我が子にも同じように扱われることになるのです。
だったら、とりあえず“親孝行しとくか”という形だけの孝行でも、ないよりはマシです。ただ、その後の心持ちは大事です。イヤイヤな気持ちで親孝行しているだけでは、その気持ちごと子どもに伝わります。心から感謝を込めて孝行することが、我が子へ、子から孫へと伝わり、良い連鎖を生むとうことなのです。
キレイごと!?こう思う人は多いでしょう。
「親を大事にする」という概念が根付いていない私たち世代が、両親だけでなく、義両親までをも大切に想うことは、口で言うほど簡単なことではありません。きれいごとではやっていけない部分もあります。
親を大切にする精神が備わる育て方をとまでは言いませんが、親を大切に思う“姿”を見せるだけで、我が子は自分たち親だけでなく、義両親ともうまくやっていき、感謝の心を持つ子に育っていきます。
今、あなた自身が苦しい思い、嫌な思いをしているならばなおさら、我が子の前では親のことを悪く言わない努力をするなど、同じ思いをさせないための少しの工夫ができると思います。これからを生きる後世に、自分たちが苦しんだ体験を活かして、新しい価値観を伝えて行くことは、親として子どもにしてあげられる、最良の意識改革ではないでしょうか。
親を大事にできる子に育てることは、これからの社会を救っていく手立てになるかもしれない。そんなことを考えると、小さな光すら感じたのでした。